種牡馬エルコンドルパサー(その父キングマンボ)は、1999年、4歳時にフランスに遠征、欧州の芝に慣れさせつつ5月のイスパーン賞から10月の凱旋門賞まで計4戦。2・1・1・2着だった。クロコルージュ、いまや名種牡馬のサガミクスなどと対戦しつつ、ストライドがピッチ走法に近く変わったとされた。
29日夜、ハーツクライが対戦するハリケーンランは、G寸前、エルコンドルパサーを差したモンジューの初年度の代表産駒。モンジューはジャパンCにきてあと1歩だったように、また自信満々にジャパンCにきたベルメッツ(H.セシル調教師)が「馬の強さにはさまざまな尺度があり、私たちが最強と信じる競馬は、必ずしもそうではなかった」と言わざるをえなかったように、ジャパンCにくる欧州の馬は、A級馬であるほどジャパンCでは通用しない。もちろん、その逆もまた真なりは当然のことで、ハーツクライも、秋のディープインパクトも勝てそうな気がするが、レベルの問題ではなく、洋芝をこなせることができるだろうか、ストライドをいつものように伸ばせるだろうか、期待が大きくなるほどにやっぱり心配も大きくなる。快走を期待しよう。
エルコンドルパサーは、芝のGI・3勝馬だが、ダートは7馬身、9馬身、3戦目の共同通信杯は上がり35.6秒の圧勝だった。産駒も大きく成長する馬は、ヴァーミリアン、ブラックコンドルなど、ダート巧者に出た方がパワフルに出世できるようなところがある。
アロンダイトは2勝のあと、いきなり格上がりの1000万で人気。危なっかしい一面もあるが、スケールは一枚上。全姉クリソプレーズも、格上挑戦のローズSで崩れなかった。未勝利を8馬身差独走の左回り。前走の京都の1分51秒3の圧勝より、もっとスムーズなレース運び可能だろう。スケールに期待する。相手にも同じエルコンドルパサー産駒のスズノマグマが有力。ともに追いかけていい3歳の成長株だ。