スマートフォン版へ

みなみ北海道S

  • 2006年08月04日(金) 18時00分
 その昔、昭和48年(1973)、大雨の連続する函館競馬が行われた。悪いことに芝の張り替えに失敗、根が浮いてしまい、大ゲサではなく泥田の状態。函館記念の2000mは、2分16秒4。最終日の函館3歳S(当時)は、快速サクライワイが勝って1200m1分21秒7だった。

 いつかこのネタを雑誌に書いたら、サクライワイの時計が(誤記と思われていたのだろう)、1分12秒7に校正されていた。今でいう500万条件の芝1800mは、2分07秒0が勝ち時計だった。1F平均14秒11になる。

 みなみ北海道Sは、当時は2400m。重の鬼ヒシダイセン(父スパニッシュイクスプレス、福永洋一騎手)が独走し、2400m2分48秒3。2着馬は3.4秒差離され、5着のツキサムホマレ(のちに函館記念2連勝、ダートの札幌記念も圧勝)が、6.0秒も離されて掲示板にのり、10着馬は2分56秒3(8.0秒差)。そのあと、はるか彼方に、まだ3頭が歩くように4角にたどりついていた。

 今年の函館は時計がかかり、先週あたりから一段とパワーの馬場。オープンの1200mでも1分10秒7だったが、サクライワイの1分21秒7と比べれば緑のじゅうたんのようなものだ。最後は悪夢の古馬500万下で、勝ち時計は1分57秒7。人気の3歳馬が1分59秒9。芝1700mの記録である、みんな歩いてゴールした。

 函館は、走りにくい状態になって時計がかかるほど先行馬有利。追走馬の方が疲れてしまう(突然、ローラーで固めたりしていないことを前提に)。繰り上がり1着のあと、だんだん差を広げつつ計3連勝のメジロコルセア(メジロドーベルの全弟)が、急速な本格化をみせている。今度は一気に相手強化だから53kgの軽いハンデ。イングランディーレ(8月17日の旭川ブリダーズGC目標)が強引に行くとは思えず、単騎の公算大だろう。

 距離が2400m以上になって[3-0-0-0]。すんなり行けさえすれば、大半が差し馬だけに4連勝達成の可能性がある。

 函館11Rは、同じ大久保洋吉=吉田豊コンビのクリアエンデバーを狙いたい。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング