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関屋記念

  • 2006年08月07日(月) 12時50分
 夏のローカル重賞でベテランの7〜8歳馬が好走するのは珍しくはないが、7歳馬カンファーベストの快走には驚かされた。昨年春の新潟大賞典を57.5kgのハンデで2着するなど、新潟コースには抜群の実績はあったが、良績はすべて2000m前後で、芝1600mへの出走は今回が初めてだった。

 父アンバーシャダイ、母の父シンザン。その血統背景もいかにも夏のローカル重賞にふさわしいが、うまく流れに乗ったとはいえ、1分32秒5の好時計で抜け出したのだから立派。まだ衰えていなかった。

 新潟の1600m外回りはあまりペースが速くならず、後半(最後の直線)一気にスピードアップする傾向が強くなっているが、とくに逃げ馬のいなかった今年は、前後半が47.3-45.2秒。超スローにも近く、1000m通過は59.0秒。流れに注文のつく差し馬には苦しかった。

 先行して粘ったダイワバンディットは、新潟3勝のコース巧者で、1600m前後がベストのマイラータイプ。毎回のこととはいえ調教での動きは文句なしの気のいいタイプで、今回はフルにスピード能力が生かせた。すんなりした流れが条件でも、スロー〜平均ペースの予想される1600〜1800mでは今後も要注意だろう。3着テレグノシスは、いつもより早めに動いて上がり33.1秒。この馬自身も1分32秒8を記録しているのだから、ほぼ能力は出し切っている。7歳馬で、初の新潟。1番人気には応えられなかったが、この流れではどうしようもない。上位人気を占めた関西勢は、大半が休み明けで総じて体調一歩。ここが目標のわりに急仕上げの馬が多かった。

 新潟に滞在して体調を整えたヤマニンアラバスタは、決して状態は悪くなかったが、直前になって少しカリカリし、1頭だけ出遅れてしまった。2番人気のサイドワインダーは8歳の夏、さすがにこちらは昨年の迫力ある馬体を取り戻せなかった。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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