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クイーンS

  • 2006年08月14日(月) 12時51分
 あまり流れが速くならないことが多い。したがって、先行型が有利になる。今年はおそらくマイネサマンサの先行でスローに近いペースだろう。そういうレースのパターンが強調されすぎたためだろう、伏兵陣が強気に先行の形をとったため、今年はこれまでとは一変、厳しい流れになった。

 前半の1000m通過は58.2秒。昨年が59.2秒。オースミハルカが2連勝を決めた04年が60.0秒の記録があるから、今年はきつかった。強気に先行のアズマサンダースは14着、タッチザピークは11着に沈み、この流れに巻き込まれる形になったマイネサマンサは勝ったデアリングハートから2.1秒差の8着に失速してしまった。

 勝ち時計の1分46秒7は、コース・タイレコード。時計は昨年と同じでも、前半は無理せずに中団から後方にタメたグループが上位を独占する形だった。デアリングハートは昨年の4着馬だが、4歳の今年は重馬場で好走したエプソムCのあたりから明らかにパワーアップ。先行して粘り込むだけではなく、追っての味が出てきていた。道中はかかるぐらいの行きっぷりで進出、早めのスパートで押し切っての完勝だから立派。この内容なら2000mまでは平気だろう。秋のGI路線への展望が開けた。

 ヤマニンシュクルは、デアリングハートよりもっと前半タメて、3角手前から一気にスパート。GI勝ち馬らしい底力を示した。同馬の別定55kgは有利だったろう。昨秋のエリザベス女王杯は順調さを欠いた中での4着だったが、今年は有力馬の1頭になる。レクレドールはスランプ気味だったが、小差3着は見事。昨年の勝ち馬らしい地力を示した。

 期待したチアフルスマイルは追い込んだものの5着止まり。速くなった流れを読んでの最後方待機だったが、勝ち時計は昨年と同じでも、1800mでの底力が要求される厳しい流れになっては苦しかった。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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