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名牝の死が教えてくれたもの

  • 2006年08月23日(水) 23時49分
 サマーシリーズ、チャンピオンの行方が依然として混沌としています。今年初めての試みで、その対策は、来年以降に持ち越されました。そのことに気を取られているうちに、気持ちが煮詰まってしまって、少し気分を開放させなければと思っています。競馬は、ひとつひとつの勝負を乗り切るのが大変、シリーズと言っても、そんなに簡単ではありません。少し距離をおいて見ることにしましょう。

 ところで、ラインクラフトの不幸が伝えられました。ベガの死に続く訃報に接し、改めてサラブレッドの限りある命について考えさせられました。

 福永祐一騎手の語った言葉から、生きものであることを再認識し、心してひとつひとつのレースを大切にしていきたいという爽やかな人柄を感じたことはうれしく、競馬の原点が何であるか、思い出させてくれました。

 レースに騎乗する者が、等しくそうであるならば、見る側だって、重く受け取るべきでしょう。

 競馬を伝える仕事をずっとやってきて、少しその点を疎かにしてきたのではないか。名牝の死から汲み取らなければならないことを、考える機会になりました。

 今このとき、先の目標を立てるべくレースを戦っている馬たち。それとは別に、すでに目標があってレースを重ねる馬たち。それぞれの置かれた立場立場によって、事情が異なります。少し、それぞれの馬たちの立場に立って、競馬を考え、ゆとりを持ちたいとそう思います。

 課せられたものがあってレースをしていることに気づいたと言ってもいいでしょう。

 少し競馬を見る目が深くなります。サマーシリーズの先にあるもの、それは、馬によって異なることを知って、残るレースを見ていく気になりました。これで落ちついて考えることが出来ますね。チャンピオンは、単なる結果なのだと、それでいいでしょう。

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ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

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