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セントウルS、京成杯AH

  • 2006年09月11日(月) 12時50分
 注目はグローバル・スプリント・チャレンジの首位に立っている豪州のテイクオーバーターゲットと、サマー・スプリント・シリーズの逆転優勝を狙って中1週のローテーションで出走してきたシーイズトウショウ。この2頭のベテランに、割って入るのはどの馬か、もっと若い伏兵の台頭はあるか、だったが、ベテラン組圧倒的に強し。2頭に追いすがったのは8歳のネイティヴハートと、7歳リミットレスビッドだった。

 直前の雨の影響で急に馬場は渋ってしまったが、大きな明暗を分けるほどではなく、この結果は現在のスプリント界の力関係をかなり正確に示しているのだろう。シーイズトウショウは札幌から輸送をはさんでのきついローテーションになったが、直前にビッシリ追って10kg減だけ。懸念の馬体重の激変がなかった。大外から一番の好スタート、行きたい馬を行かせてこれを見る余裕まであった。前走、必勝の形になって差されレース内容にややカゲリも思わせていたが、今回は抜け出すタイミングを遅らせ、一気に差しきったから立派。得意の中京コースだったとはいえ、まったくの完勝だった。

 必勝態勢のリーチをかけた形を成功させてしまっただけに、中2週になるスプリンターズSでは、中間の調整と最終追い切りにはこれまで以上に注意したい。

 テイクオーバーターゲットはさすがの行きっぷりで、59kgでも一旦は楽に抜け出しかかった。このあとのスプリンターズSでももちろん有力だが、走りっぷりから、中山の坂は歓迎ではないかもしれない。

 そのほかの各馬はあまり見るべきところがなく、復活に期待したメイショウボーラーはインコースのためか、ちょっとレース運びが弱気だった。

 京成杯AHは期待を上回る好時計のスピード決着。勝った3歳馬ステキシンスケクンと同じく3歳のマイネルスケルツィには、このあとの大きな展望が広がった。カンファーベストの快走は前走と同様、見事というしかない。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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