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毎日王冠

  • 2006年10月09日(月) 12時50分
 現在のコースに移ってからは最速の1分45秒5。秋の天皇賞の有力なステップレースらしいハイレベルの厳しい1800mだった。レースのレベルの基準になりそうなダンスインザムード(秋の天皇賞2着、3着)が、好気配で出走してきて、ほぼ能力を出したと思える内容で大接戦の2着。このあとのダンスインザムードの活躍が約束されたと同時に、この牝馬を基準に秋の天皇賞の有力馬を少し絞り込めそうだ。

 勝った5歳ダイワメジャーは、ダンスを差し返して勝った。外枠から自分のリズムで先行できたこと、したがって、他馬に外から被されなかったことが大きかったが、左回りはもちろん東京コースにも全く心配はないことを改めて示した。これまではスピードの持続が伴わなかっただけ。つまり、底力一歩だったとしていい。一度は交わされたダンスインザムードを差し返した自信は大きい。陣営は天皇賞出走を迷っていたところもあったが、これで次走は天皇賞だろう。2000mまではOK、皐月賞を制した当時より明らかにパワーアップ、のど鳴りもほとんど治まっている。

 7歳ローエングリンが少し差のある3着。途中で少しかかったが、差す形での小差は立派だが、ここまで余りにも回り道、遠回りが長すぎ、体調絶好のいま、こういう内容を示しても、さすがにこのあと更なる上昇までは……だろう。余りに遅すぎた。

 同じシングスピール産駒のアサクサデンエンは、ローエングリンと同様、一筋縄ではいかないどうにも捉えようのない難しい馬。今回の絶好にも映る状態で凡走したからといって評価は下げられないし、次に巻き返す理由も根拠もない。方向転換した3歳馬の中ではマルカシェンクの善戦が光ったが、この賞金だと天皇賞は出走できそうもない。

 京都は超スロー。切れ味だけの勝負になってスイープトウショウの断然の能力が浮き彫りになった。天皇賞出走を展望していたインティライミは、大事に巧みに乗って7着。切れ勝負では分が悪いのは分かっての2400m出走だけに、テーマに合った競馬をしたかった。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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