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スワンS

  • 2006年10月27日(金) 17時40分
 5歳シンボリエスケープ(父サクラバクシンオー)が、いよいよ重賞制覇のチャンス。前走時を上回る素晴らしいストライドで動いた。

 これまでCBC賞5着、ダートのプロキオンS・4着、そしてスプリンターズS・13着。ことごとく重賞レースは凡走しているが、CBC賞は6月の荒れた中京の芝で、内枠のためやむを得ずインを狙うしかなかった不利。プロキオンSは、この馬、もちろんダートもOKだがそれは能力の異なる下級条件でのことで、本質はダート巧者ではない。

 また、スプリンターズSは直線入り口で他馬と接触して立ち上がっているうえ、1200mがベストというスプリンターでもない。敗因ははっきりしている。

 芝の1400mはこれまで5戦、2、1、1、2、1着とパーフェクト。とくに京都の外回り1400mでは、初めて芝への出走になった昨春、いきなり1分20秒4。上がり33.0秒で大外から一気に伸びてみせた。前々走のNSTオープンでは8歳ネイティヴハートと叩き合って小差だったあたりは物足りないが、ちょっともたついて外に出すと、並んでからはきっちり差し返したから上々。ネイティヴが走りすぎたともいえる。勝負強さも身につけてきたと考えたい。

 サクラバクシンオー産駒にしてはゴツい印象を与えない芦毛の馬体は、母方のカラムーン…ゼダーンとさかのぼるグレイソヴリン系のシャープな切れ味を誇るスピード系の特徴そのもの。ここまで京都芝1400mは2、2着だが、外回りの平坦の直線こそベスト。父サクラバクシンオーが1400mを1分19秒9のレコードで乗り切ってみせたのもこのスワンS(阪神だったが)のことで、1400mは[4-0-0-0]。もっとも得意とした距離だった。

 東京の11R。フサイチリシャールが、この重賞を1分33秒3で独走した父クロフネのダート適性をどこまで受け継いでいるかだが、スケールは比ぶべくもなく下でも、ダートの1600mは文句なくベストだろう。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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