アストンマーチャン(父アドマイヤコジーン)が2歳日本レコードの1400m1分20秒3で、5馬身差の独走を決めた。時計の出やすい馬場で、直前の桂川S(古馬1600万下)を制したキンシャサノキセキが同じ距離を1分19秒4で乗り切っていたほどだから走りやすい馬場には違いないが、好位の外から楽々とスパートして上がり33.6秒。回転の速い独特のピッチ走法で、あっというまにイクスキューズ以下を突き放してしまった。
小倉2歳Sでは、2歳馬としては破格の前半32.5秒のダッシュ力をみせて逃げ切った快速馬が、一転、控える形で直線スパート。昨年のアルーリングボイス(同じ武豊騎手)と似たような脚質に換えての快勝だが、スケールの違いは歴然。12月のGIに向けて大きく抜け出した。母ラスリングカプス(3勝)は最初、関東の藤沢厩舎にいて(後に高市厩舎へ転厩)短距離型だったが、祖母フィールディ(仏、米で19勝)の代表するファミリーは決してスプリンター系ではなく少なくとも1600m前後は平気だろう。
その藤沢厩舎のイクスキューズはもう少しためて進みたかっただろうが、行く馬が少なかったため気分良く先行の形になってしまった。初めてもまれる形になって能力を出し切ったとは思えないハロースピード、置かれすぎたカノヤザクラなど、アストンマーチャンに今回は大きな差をつけられてしまったが、一連のレース内容から着差ほど大きな能力差があるはずもなく、12月の阪神のGI、さらには来季に向けてパワーアップしたい。
アルゼンチン共和国杯も東京で行われたこのレースのレコードだった。上がり馬、軽量馬の伏兵の台頭の連続するハンデ戦だが、今年は人気薄の引っ張る厳しい流れになったため、最後に抜け出してきたのは57.5kgのトウショウナイトと、58kgのアイポッパー。ここまで強敵と戦ってきた実績上位のハンデの重い2頭、1番人気と2番人気の決着になり、わずかに51kgのドラゴンキャプテンが見せ場を作ったものの、能力通りの力の競馬だった。
期待した57kgのウインジェネラーレは、勝ったトウショウナイトをマークする位置にいたが伸び切れずに0.6秒差。一転の復活はならなかったが、ずっと順調さを欠いていただけにこれは仕方がない。次にもう一度期待することにしよう。