この時期に東京の1800mであまり厳しいレースをしてしまうと、ストレートに翌春のクラシックに結びつかず、挫折したりする馬も珍しくないGIIIだが、世代のレベルが早くも見えてくることもある。成長株はその光る部分を必ず見せる。昨年は、メイショウサムソンが2着して1分47秒台。97年のキングヘイローは1分48秒0の当時のレコードだった。
一昨年、1分48秒4でスムースバリトン、ペールギュントの小差3着だったニシノドコマデモ(父キングヘイロー)の半弟、ニシノコンドコソに注目。前走の新潟2歳Sは8着にとどまったが、入念に乗って立て直してきた。
ここは注目のフサイチホウオー、前走2000mでレコード勝ちのトーセンクラウンなど素質馬ぞろいだが、ニシノコンドコソのスケールも互角。1600mの前走は前半からモタモタしたうえ、直線はスムーズに進路がとれずに凡走したが、この馬自身の上がりも33.5秒。中身は着順ほど悪くない。
大跳びでかなり不器用。そのため今後の狙いものびのび走れる広いコースに限定される危険はあるが、手ごろな頭数の東京1800mはまさにベスト。また、しだいに加速がつくようなタイプとあって、むしろスロー〜平均ペースの方が合っている。
父カリズマティック(その父サマースコール)は米2冠馬。この父系、日本の緩急の求められる競馬にはもうひとつ合わず、アメリカや欧州での評価とは一致しないが、ワンペースのレースや、あるいはしだいにピッチの上がるレースには合っている。東京1800mでこの組み合わせなら、後者のしだいにペースの上がる流れだろう。上のニシノドコマデモ、同イツマデモより不器用でも、ツボにはまった際のスケールは一枚上。セイウンスカイの牝系に、母の父はサッカーボーイ。大きく育つ(かもしれない)可能性に注目したい。