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東京スポーツ杯2歳S

  • 2006年11月17日(金) 17時51分
 この時期に東京の1800mであまり厳しいレースをしてしまうと、ストレートに翌春のクラシックに結びつかず、挫折したりする馬も珍しくないGIIIだが、世代のレベルが早くも見えてくることもある。成長株はその光る部分を必ず見せる。昨年は、メイショウサムソンが2着して1分47秒台。97年のキングヘイローは1分48秒0の当時のレコードだった。

 一昨年、1分48秒4でスムースバリトン、ペールギュントの小差3着だったニシノドコマデモ(父キングヘイロー)の半弟、ニシノコンドコソに注目。前走の新潟2歳Sは8着にとどまったが、入念に乗って立て直してきた。

 ここは注目のフサイチホウオー、前走2000mでレコード勝ちのトーセンクラウンなど素質馬ぞろいだが、ニシノコンドコソのスケールも互角。1600mの前走は前半からモタモタしたうえ、直線はスムーズに進路がとれずに凡走したが、この馬自身の上がりも33.5秒。中身は着順ほど悪くない。

 大跳びでかなり不器用。そのため今後の狙いものびのび走れる広いコースに限定される危険はあるが、手ごろな頭数の東京1800mはまさにベスト。また、しだいに加速がつくようなタイプとあって、むしろスロー〜平均ペースの方が合っている。

 父カリズマティック(その父サマースコール)は米2冠馬。この父系、日本の緩急の求められる競馬にはもうひとつ合わず、アメリカや欧州での評価とは一致しないが、ワンペースのレースや、あるいはしだいにピッチの上がるレースには合っている。東京1800mでこの組み合わせなら、後者のしだいにペースの上がる流れだろう。上のニシノドコマデモ、同イツマデモより不器用でも、ツボにはまった際のスケールは一枚上。セイウンスカイの牝系に、母の父はサッカーボーイ。大きく育つ(かもしれない)可能性に注目したい。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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