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マイルCS

  • 2006年11月20日(月) 12時50分
 雨の影響は多少あって、良馬場発表でも内枠の馬と少し非力なスピード型には走りにくそうなコンディションだったが、1分32秒7の速いタイムが記録され、ダイワメジャーの強さとパワーが一段と強調される結果になった。

 先手を主張したのは予想通りステキシンスケクン。だが、この快速馬はまだストライドに不安定なところがあって滑る芝は不得手。あまりピッチは上がらず、前半の半マイルは46.0秒、1000m通過57.5秒にとどまった。この秋の2戦と同じように2番手につけたダイワメジャーには理想の、無理のない平均ペースでこちらの半マイル通過は46.4秒前後。結果としてダイワメジャーは後半の800mも前半と同じ46.3秒でまとめたことになる。レースの流れに無理なところがなく、前後半のバランスが保たれたから1600mはもちろん、2000mでも能力減のないダイワメジャーにはきわめて楽なレースだった。ゴール前まだまだ余力さえあった。

 ダンスインザムードはこういう差す形で、ベストのマイル戦で全能力を発揮させたかったのだろう。そこであえて武豊騎手にチェンジし、その通りに現在の能力をフルに引き出すことに成功したが、一瞬ひょっとしてかわせるのではないか、差し切ってしまうのではないかと思わせたが、並びかけたように見えたところで勝ち馬にはまだ余力があり、ゴール前はもう一度突き放されてしまった。納得の2着確保だろう。

 シンボリグランの3着は立派。美浦の坂路で外を回って48.4秒で上がってくるほど充実していたが、あまり良績のない1600mでの好走だから見事だった。好位につけて一度はあわやと思わせたマイネルスケルツィ、前半やや折り合いを欠きながら不得手の滑る馬場でがんばったキンシャサノキセキ、そしてタフなプリサイスマシーンまで、なんと関東の所属馬の上位独占という珍しいGIだった。

 コートマスターピースはさすがの好馬体だったが、スタートの上手くない欧州の馬にとって、今回の少し渋った馬場での1番枠は大きな不利。デットーリ騎手をもってしても直線で差を詰めるのが精一杯だった。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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