鳴尾記念は再三時期が移ったり、斤量が変更になったりしているが、この時期の重賞でもっともポイントになるのは「年齢」だろう。
過去20年間のうち、12月に行われたのは合計16回(残りは春シーズン)。昨年は8歳のベテラン・メジロマントルが粘り込んだり、ここ3〜4年はキャリアに勝るベテラン組の成績がいいが、16回のうち、約半分の7回まで「3歳馬」が勝っている。これはごく自然な流れで、いま成長中の3歳馬はもうそろそろ古馬となり、歴戦のベテラン組にさまざまな点で追いついている。あと1か月もしないうちに4歳馬になる。だが、斤量はまだ楽だ。侮りがたい渋いベテランは怖いが、軸になるのは3歳馬としたい。
ペリエ騎手を配してきたサクラメガワンダーから入る。今年は、皐月賞、ダービー、そして秋は天皇賞の路線。大きなカベに当たって相手が強力すぎたこともあるが、ちょっと成長が止まり、馬体もさびしく明らかにスランプだった。それでも休み明けの毎日王冠1800mでは、ダイワメジャーと0.4秒差。インに入ってしまった天皇賞・秋も差は1.1秒だけ。能力は示している。
この中間、やっと体つきがしっかりしてきたのは好材料。攻め馬の動きにも力強さが加わってきた。また、この馬、クラシックを展望して2000m以上を中心に使われてきたが、距離が2000m以上だとスタミナ切れのきらいがなくもない。今回の1800mの方がずっと合っている可能性が大きい。大接戦で、魅力のある馬が多すぎるが、上昇度と、距離の適性に期待したい。目下、勢いに乗っている上がり馬の4歳ホッコーソレソレー、同じく3歳のマルカシェンクなど、どちらかと言えば斤量有利な若いグループを中心に考えたい。ベテランの中では、いつも人気薄でも確実に伸びてくるアサカディフィートは軽視したくない。