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朝日杯フューチュリティS

  • 2006年12月11日(月) 13時00分
 スタートで2馬身ぐらい出負けし、道中は離れた最後方を進んだドリームジャーニーが大外一気、鮮やかな追い込みを決めた。先行馬崩れの追い込み競馬だったかというとそうではなく、2着のローレルゲレイロ以下6着マイネルシーガルまでみんな先行して粘り込んだ馬ばかり。ドリームジャーニーの切れ味だけが光った一戦だった。

 今週の芝は中間の雨もあって、心持ち時計のかかるコンディションだったため、勝ち時計は1分34秒4。過去5年はずっと1分33秒台の結果が続いてきたが、やや平凡な時計は仕方がない。レースの流れは前半の半マイル46.8−後半が47.6秒。1000m通過は58.9秒にとどまるごく普通の平均ペース。

 最初からレースを先導しそうな快速型はいなかったから、横を見て確認しながら先手を取ったオースミダイドウのペリエ騎手の作戦は決して失敗でもない。前回、あえて控える形を要求したあとだけに、このあとまた抑える戦法を再び覚えさせるのは大変だが、ペリエ騎手にとくに指示はなかったのだろう。ただ、このペースで粘れなかったあたり、テンションが高くなりすぎていたことを考慮しても、今回のオースミダイドウは案外。改めてこのあとはまた差す形を覚えることになりそうだ。

 ローレルゲレイロは前回はオースミダイドウに差されたが、今度は逆にマークできる立場に変わって逆転。一度は完全に勝ったかの態勢だったが、外に回ってロングスパートを決めたドリームジャーニーに一気に差されてしまった。ローレルとオースミはだいたい同じような現時点でのレベルで、2度続けて接戦だった。従って、評価の難しいこの朝日杯、奇しくもだいたい同じような時計だった11月のデイリー杯2歳Sのレベルがそのまま持ち込まれ、そこに今回はうまくはまった形のドリームジャーニーと、フライングアップルの東京スポーツ杯2歳Sの2、3着馬がそっくり重なって、上位1〜4着が形成されたともいえる。まあ、そんな簡単な勢力図が成立するわけもないが、だいたいの現時点での2歳牡馬の勢力図を考える目安がほぼ明確になったとはいえる。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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