00年から昨05年まで、最近6年間は春シーズンの最後に行われていた重賞が、また本来の12月に戻っての「牝馬」の一戦となった。
先週の鳴尾記念が「3歳=3歳」の組み合わせだったように、ここまでくると世代交替が急速に進んでいるのが古馬重賞のパターン。愛知杯が12月に行われていた99年以前の20年間の成績を年齢別の連対数として並べると、▽3歳馬…19頭 ▽4歳馬…13頭 ▽5歳馬…5頭 ▽6歳上…3頭となった。約半数の連対馬が、古馬との対戦にも慣れ、どんどん力をつけている3歳馬であり、5歳以上はかなり苦戦。まして、もっとも世代交替の厳しい牝馬同士なのだから、中心は文句なしに3歳馬だろう。
春のオークス、そして秋になってのローズS、秋華賞。3戦続けてアドマイヤキッスに完敗のニシノフジムスメだが、決して秘める能力にそう差があるとは思えない。かなり不利のあったオークスでは、アドマイヤキッスとは0.2秒差。スパートが遅れ外にふられたローズSも最後は差を詰めて0.8秒差。完敗には違いないが、うまく流れに乗れれば決して逆転不可能な差ではない。
ここまでのレース運びをみると、ベストは平均〜スローペースの2000m前後。それも右回りより左回り向きのイメージが濃い。秋3戦目の今回はビシビシ追って、ひと回り成長を思わせる馬体になり、ストライドも大きくなってきた。母は不良のフラワーCを抜け出したブランドアート。中間の雨で多少とも時計のかかる12月の芝も有利だろう。なにより、今回はアドマイヤキッスと3kgのハンデ差がある。好勝負を期待したい。アドマイヤキッスはまず崩れないだろうが、ツボにはまると切れるソリッドプラチナム(父ステイゴールド)とコースが合いそうなヤマトマリオン。
古馬ではスプリングドリュー、コスモマーベラスにも手を広げておきたい。