スマートフォン版へ

阪神C

  • 2006年12月18日(月) 13時00分
 大接戦を制したのは、好位で流れに乗りいつもの追っての物足りなさをまったく見せずに伸びた3歳フサイチリシャールだった。春のクラシックでは伸び悩み、方向転換したダート戦でも結果を出せないでいたが、初めての1400mでフルにスピード能力発揮。やっと活躍の場を再発見した形だった。今回のメンバーの中では数少ないGI勝ち馬、それも朝日杯FSの覇者なのだから、勝たれてみれば納得。ごく当然の復活ともいえるが、一連のレース振りがあまりに物足りなかっただけに、スピードを生かせる距離に変わったからといって信用できない部分が大きすぎた。決して早熟でもジリ脚でもないことが証明されたから、今後の展望はまた大きく広がって、再びいろんな距離に挑戦するだろうが、マイル戦以下の場合にこそ持てるスピード能力全面的に発揮かもしれない。

 惜しかったのはプリサイスマシーン。馬群を巧みにすりぬけてゴール寸前一気に勝ち馬に迫ったが、空いているコースを探すロスがあった。まだ十分脚はあり、7歳の秋になっても能力減は少しもない。1400mはこれで[3-2-0-0]。まだまだ活躍できそうだ。

 3着のマイネルスケルツィは外枠からもまれるのを嫌って早め早めのスパート。能力はほぼ出し切っている。同じ3歳のフサイチリシャールとともにこの路線の中心馬に育ってくれるだろう。安田記念を展望するためには左回りにメドを立てたい。

 候補と思えた中では、コートマスターピースは9着どまり。気配は良く見えたが、敗因は出負けではなく、ヨーロッパタイプとして完成された馬に1分20秒台のスピードレースは苦しいのだろう。コスモシンドラーは出遅れて最後方からの競馬、インを通った有力の競り合いになる中、大外を回るしかなかった。上がり3Fはアサクサデンエンなどと並んで最速の34.9秒。改めて次走に期待したい。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング