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ラジオNIKKEI杯2歳S

  • 2006年12月22日(金) 12時51分
 ステイゴールド産駒の小柄なドリームジャーニーが最後方から直線一気。強烈な勝ち方をみせた12月10日の朝日杯フューチュリティSは、2歳牡馬のただ1つのGIだが、ドリームジャーニーの無類の勝負強さに驚いたと同時に、レース全体の印象としてはクラシックを予感させる迫力はなかった気がする。

 最近のパターン通り、この阪神2000mのラジオNIKKEI杯2歳Sの方がスケールで上回るだろう。阪神の2000mで強い勝ちっぷりを見せるなら、たちまち皐月賞が展望できる。

 断然の人気を集めるので、有馬記念の前の日にムキになって馬券を買う馬ではないが、期待はフサイチホウオー。デビュー戦、2戦目の東スポ杯2歳Sともに、レース前は荒々しい仕草をみせ、ストライドも力強さだけが前面に出ている形だが、スケールは抜群。前走の1800mでは少し内にささる面があったため、内からドリームジャーニー(朝日杯圧勝)が並びかけてくるのを待ち、また外からフライングアップル(朝日杯を0.3秒差4着)が馬体を併せてくるのを待ち、さらにはスパートのタイミングを相手の脚色を計りつつ待ちながら、抜け出したのはゴール前100mを切ってから。2〜3着馬と着差は0.1秒にすぎなかったが、スケールの差は歴然だった。内に馬がいたから、2戦目は口向きもOK、ささる面もみせなかったから立派。1800mを2戦して2000mも予定通り。中間の迫力あふれる動きに、荒々しさだけでなく鋭さも加わった。

 対するナムラマースは、もう夏の北海道で7戦もしてきた。将来を展望する馬には特異なローテーションだが、使いつつ一戦ごとに馬体重を増やしながらの3連勝は立派。反応が鈍いようにみえた札幌2歳Sのゴール前も、並んでからは寸前一気だった。早めにも行ける自在型、ペリエ騎手向きだろう。侮りがたいスケールを秘めるアサクサキングス、デキの良さ光るマイネルソリストの順。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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