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月曜・シンザン記念

  • 2007年01月07日(日) 18時10分
 松田国英厩舎のダイワスカーレットが、いかにも松田流らしい形で1600mの重賞に出走してきた。2000mの新馬をなだめて進んで抜け出して圧勝し、2戦目は1800mの中京2歳Sを同じように前半をなだめ、1分47秒8で着差以上の圧勝をしている。そして、今度は1600m。

 クラシックを展望する「牡馬」ならまずありえない距離設定の手法だが、こちらは牝馬。とりあえず、目標とするのは桜花賞だから、レースを覚えてきたところで1600mへ…はありえる。極めて珍しい形だが、ほぼ正解と出るだろう。ムキになって行かなくてもいいことを1800〜2000mでもう学んでいる。

 ただ、同じく人気のローレルゲレイロ、アドマイヤオーラなどの「牡馬」勢にとっては、アドマイヤオーラのように1800m→1600mのパターンや、ローレルゲレイロのようになんとか1600mの重賞を勝ちに出るローテーションは、NHKマイルCを目標に据えているならともかく、クラシックを展望するには必ずしも正解ではない危険がある。

 というのは、長い歴史のあるシンザン記念。こういう形で答えを出した馬が、春のクラシックを勝った例はないに等しいからだ。02年のタニノギムレット(松田国英厩舎)はこの重賞を勝っているが、同馬は未勝利の1600mを勝ったばかりで、飛躍のステップがシンザン記念だけだっただけのことで、1月の1600mの重賞にこだわった訳ではない。

 ダイワスカーレット(ダイワメジャーの妹)は、兄とほとんど似た血統背景を持つだけでなく、スケールも見劣りしない。現在のところ、ウオッカ(父タニノギムレット)と並び、この世代の牝馬のトップの評価を受けている。ここで朝日杯好走の男馬に勝てるようだと、さらに評価が高まりそうだ。もちろん、ローレルゲレイロ、アドマイヤオーラの評価を下げる理由は(ここでは)1つもないが、のちにシンザン記念を勝ちに出た形のステップがどういう形で春に結びつくのか注目したい。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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