3頭が同着でも不思議がなかったほどの大接戦に持ち込まれ、8歳プリサイスマシーンと5歳馬エイシンドーバーの同着だった。この短距離路線、多くのメンバーが3月25日の「高松宮記念」に向かうことになるが、1200mが初めてだったオレハマッテルゼが勝った昨年と同じように、抜けた馬のいない大混戦が続きそうだ。
8歳プリサイスマシーンは、その昨年の高松宮記念を勝ったオレハマッテルゼと同じように初めての1200m挑戦で小差4着だった馬。秋に「スワンS」1400mを制し今回も1400mでフルに勝負強さを見せつけた。8歳馬ながらまったく衰えなしは見事なものだが、1200mのGIとなると候補の1頭ではあっても、必ずしも有力馬ともいえず(1200mは未勝利)、混戦にさらに拍車をかける1頭だろう。
差し返すようにエイシンドーバーが同着1着。定年を迎えた湯浅調教師の管理馬はきわめて粘り強かった。こちらは初重賞制覇。このあとの路線は未定だが、どちらかといえばもっと長い距離向きでマイル路線と思える。
スズカフェニックスの爆発力は見事。折り合いやスパートのタイミングの難しい馬だけに、今回の1400mの内容から1200mも特に不安なしだろう。このあとは高松宮記念に向かいそうだ。三代母になるローズレッドは、97年の高松宮記念を制したシンコウキングの祖母としても登場する。意外やパワーあふれるスプリンターとして本格化したりするかもしれない。
期待した人気のキンシャサノキセキは素晴らしい状態にみえたが、スタートで出負け。そのうえ前回ほどではなかったが、道中でムキになって少しかかり気味だった。そのためスズカフェニックスと同じような位置から伸びかかったところで、最後の詰めを欠いてしまった。ここ2戦連続してリズムを崩しているのが気になるが、高松宮記念ではぜひ巻き返したい。
昨年のスプリンターの路線は、仕方のない形でダイワメジャーがチャンピオンに収まったが、テイクオーバーターゲットや、香港勢に押されっぱなしだった印象が強く、ひょっとすると今年もこの路線は、香港、オーストラリア勢のほうが強力かもしれない。
中山記念は、こちらも8歳のローエングリン。4年も前のレースが再現されてしまったのには驚いた。これは見事なもので言葉を探してほめるしかないのだろうが、いまさら…という印象も持たれてしまうから不思議で、ちょっと不運な馬でもある。