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チューリップ賞

  • 2007年03月02日(金) 18時00分
 長い牝馬クラシックの歴史の中、桜花賞出走前にすでに1600mで2度も1分33秒台を記録している馬など、もちろんいるわけもなく、ウオッカにかかる期待は大きい。

 2003年桜花賞にただ一頭、1分33秒8の好時計を持つワナ(父フジキセキ)が出走したが、それは高速の新潟での記録で、ワナは桜花賞では14番人気で15着だった。

 新しくなった阪神では、芝1600mはここまで12R(12月以降)行われているが、ウオッカの1分33秒1は飛び抜けた1位。もちろんこれは馬場状態とペースによるところも大きかったが、続くエルフィンSで再び1分33秒7の大楽勝。その前週、5F通過58.2秒の古馬の京都牝馬Sが、ディアデラノビアの快勝(54kg)で1分33秒0だった。エルフィンSは5F59.3秒のスローで、3歳牝馬ながら56kgウオッカは楽々と1分33秒7。どうみても、もう古馬牝馬のトップクラスと互角か、むしろそれ以上だから驚く。

 それも、エルフィンSは使わずもがなのレースで、必ずしも出走の体勢万全とはいえない7、8分の状態。破格のスケールだろう。

 対するダイワスカーレットは、2000m→1800mと使って前走が1600mのシンザン記念。あまりのスローで少しかかり気味になったところを、男馬のアドマイヤオーラ(弥生賞に出走)に差されたが、スカーレットの上がりも33.7秒。バテたわけではない。ピタッとマークされた不利もあった。2000m→1800m→1600mは、ふつうの牝馬や、ふつうのクラシックを目指す馬のとるパターンではないが、もう底力が証明されているともいえる。ローテーションはウオッカより理想的な間隔。この2頭、まず崩れないだろう。渋い成長力をみせ、今回の動きも光っているローブデコルテが3番手。以下はよほどのことがない限り苦しい。

 中山のメイン「オーシャンS」は、芝1200mに戻ってアイルラヴァゲインが巻き返す。圧勝の前々走より2.5kg減だ。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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