種牡馬サクラバクシンオー[その父サクラユタカオー]の産駒が、なんと計6頭も出走してきた。短距離型の外国産馬をこぞって輸入の時代が過ぎ、代わって台頭してきたのが日本だけで成功しているといっていいプリンスリーギフト系の、ずっと続いてきた子孫になるサクラバクシンオーだから、これは素晴らしいことだ。テスコボーイを出発とする父系は、ただ存在しているというだけでなくGI級を送りながら、もう30数年も日本で続いている。史上初めてその父系の連続になるなかで、サクラユタカオー系は、エースのバクシンオーを中心に、まだこれから産駒が登場するショウナンカンプ、トゥナンテまで合わせ、計6頭もが現役種牡馬として残っている。ひょっとして、存続してきたプリンスリーギフト系の一分枝は、もうひと花咲かせる時代がきたりするかもしれない。スプリンター部門はアジア、オセアニアのレベルがきわめて高くなっている距離区分でもある。サクラバクシンオーの6頭には、やがてショウナンカンプのように、次の代にも続くぐらいの充実、成長を期待したい。
アドマイヤホクトは前走、秋の中山(4〜5回)で古馬をも上回る1分08秒0の快時計で勝っている。サクラゼウスは、前走33.1秒で飛ばして逃げ切った1月のレースより、今回の中間の動きのほうがずっと迫力があるように映る。中京の芝は、先週500万でも1分08秒台が連続したように、時計はいつもの年より速い。バクシンオー勢は、ニシノマオ、カノヤザクラ、オメガエクスプレスまで含め、みんなチャンスありだろう。
割って入るのは、アドマイヤホクト、サクラゼウスに連続して負けているが、ともに脚を余した印象もあり、あと一歩で届きそうだったダノンムロー。武豊騎手が「次も乗りたい」と強く希望したと伝えられている。Hペース必至。バクシンオー勢に、一気の切れで突っ込んできそうなダノンムローが立ちふさがる。軸は差すダノンムローとして、サクラバクシンオー勢に流したい。