スマートフォン版へ

日経賞

  • 2007年03月23日(金) 13時15分
 春の天皇賞の候補がそろった先週の阪神大賞典3000mは、超スローもあったが、アイポッパーから4着デルタブルースまでほとんど横に並んでの入線。古馬の長距離部門は(短距離もそうだが)、抜けたエースのいない大接戦の力関係にある。

 日経賞2500mの組も、これまでよりひと回り成長しているところを示せば、阪神大賞典組にそうは見劣らない評価を得られそうだ。

 一昨年の天皇賞(春)を0.2秒差の4着に好走しているトウショウナイトのほか、距離のメドが立てば、また地力アップが確認できれば、マツリダゴッホ、ネヴァブション、アドマイヤタイトルあたりも天皇賞(春)を展望できる位置にいる。

 4歳ネヴァブションの本格化に期待したい。2歳の秋、3戦目に未勝利2000mを上がり34.4秒の強烈な切れで差し切ると、クラシックを展望しずっと強敵相手の特別、重賞に挑戦しつづけて8連敗。このままでは持てる素質をしぼませて埋もれさせてしまうのではないかと思えたが、3歳の秋に押せ押せのローテーションを取らなかったのが好結果。今年4歳になると、それまでの詰めの甘いネヴァブションとは思えない変わり身をみせている。

 目下2連勝。とくに2500mの迎春Sでは自分で一気にスパートし、5馬身差の圧勝だった。父のマーベラスサンデーもやや遅れて本物になると連戦連勝をつづけた馬だが、この馬も一戦ごとにグングン強くなる可能性がある。動きも一段と力強くなった。

 母の父はミルリーフ。祖母はヴェイグリーノーブル産駒。3代母は当時のフランスを代表する名牝で、凱旋門賞2着のピストルパッカー(その年の勝ち馬がミルリーフ)という、スタミナとパワーを秘める牝系の出身。さらにスタミナ能力を全面に出してくることを期待して良さそうだ。立ち直ったトウショウナイトを倒すことができれば、春の天皇賞への挑戦も可能になる。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング