金鯱賞の歴史は、中京芝2000mのスピード重賞の歴史そのもの。5月に移ってから、次々と快速の記録が生まれている。
1998年に独走したサイレンススズカは、大差勝ちで1分57秒8のレコードだった。そのあと2004年には、タップダンスシチーが59kgを背負い1分57秒5のレコードで勝っている。現在の中京芝2000mのレコードは、ローゼンクロイツが今春の中京記念で更新した1分56秒9。今回、そのローゼンクロイツが同じ57kgで出走してきた。同じ藤岡佑介騎手とのコンビ。当時2着だったシルクネクサスは、55kg→57kg。5着だったマチカネオーラも、56kg→57kg。ほかにも強敵は加わってきたが、今回もチャンス大だろう。昨年のこのレースはコンゴウリキシオーの2着にとどまったが、当時より体つきも確実にひと回り成長、かつパワーアップしている。
ローゼンクロイツは、この中京の芝2000mはすべて重賞に出走して2、2、1着。また、これまでの全4勝が2000mだから、今回の条件こそベストといえる。
ローザネイ(祖母)から広がる一族は、2000m前後のGIII、GII級で抜群の良績を残すのは知られる通りで、今回対戦することになったヴィータローザ(ローゼンクロイツの母ロゼカラーの半弟)は、一昨年のこのレースの2着馬になる。そのロゼカラーも、ロサードも、ローズバドも、日曜の目黒記念に3歳馬ながら挑戦するローズプレステージも、なんとなくみんなイメージは同じになってしまうが、ベストが2000m前後。そして坂の少ないフラットに近いコースが一番合っている。ダービーでナムラマースに乗る藤岡佑介騎手、ここで勢いに乗りたい。相手は難しいが、妙味はシルクネクサス。中京記念はあまりにスパートが早すぎた。昨春の中京記念でローゼンクロイツに勝っている5歳マチカネオーラも、今回は完調に近づいている。相手はこの2頭を本線にしたい。