ゼンノエルシドの勝利は、2つの点で大きな意味がある。1つはこの秋、ちょっと層の薄かったマイル路線にやっと新星が加わったこと。それもただの新星ではなくAランクの期待馬だ。もう1つは、レベルの低いといわれた4歳世代に、前週のエンゲルグレーセにつづき、待望のオープン馬が加わったことも大きい。それにしても1分31秒5は速い。ユーワファルコンの逃げたペースは前半44秒8から56秒。もちろん離れて追走したが、ゼンノエルシドは折り合い十分、すこしも行きたがっていなかった。近くにクリスザブレイヴがいても平気だった。折り合い面に課題のあった馬だけにこの精神面での成長は大きい。こうなれば早くから注目されていた素質をフルに発揮だろう。G1でも通用する。2着のクリスザブレイヴは力を出し切っている。7歳馬がこれだけ走れば立派なものだ。もう1頭注目していたキングオブサンデーは、今回の気配は良かった。これで負けたのは能力というしかない。3着のイーグルカフェも4歳馬。G1ホースとして物足りない成績が続いていたが、やっと良化のきっかけがつかめた。