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開催進んで調教傾向じわり

  • 2008年03月18日(火) 12時00分
 2回中山、1回阪神、1回中京の開催が終了して3週。2週目終了時点では中山、中京の芝コースで調教傾向が出にくい馬場状態でしたが、先週金曜日に降った雨の影響があり、その傾向に少し変化がありました。

 まずは中山の芝。これはアネモネS、中山牝馬Sの結果を見ても馬場が変化したことがよく分かります。どちらのレースも勝ち馬は併用調教馬。特に今週の重賞、スプリングSと同じ距離で行われた中山牝馬Sでは、調教本数が多いヤマニンメルベイユが勝ったところに今週への足がかりがあると思います。これに関しては、競馬総合チャンネルの「今週の調教Gメン」でじっくり解説します。

 6日目浅草特別ではトラックで一杯に追われたモエレフィールドが単勝2000円の逃げ切り。2着には併用調教馬のベルジュールが入っており、これまでの調教傾向がはっきりしていなかった馬場に「調教量が必要」という傾向を見せる結果となりました。

 ダートに関しては1200mで坂路を調教本数多く調教された馬が、あと一歩で馬券に絡めるという状態。5日目のOP特別・千葉Sは、同タイプの8、13、7番人気馬が3〜5着。馬券になっていない点では好走していると言えませんが、馬場状態は確実に坂路で本数多く調教された馬に有利になりつつあります。

 阪神の芝では併用調教馬に好走傾向があります。5日目の3歳500万下では単勝4420円のドリームキューブが逃げ切りを決めており、大阪城Sではパーフェクトジョイが3着。出走数の少ない併用調教馬ですが、出走があれば馬券に絡む確率が多くなっています。今週行われる阪神大賞典は過去傾向からはトラック調教馬が有利。今の併用が有利な馬場状態とマッチさせると、坂路の単一調教では少し厳しいレースかも知れません。

 阪神ダートは先週から一転して時計の掛かる馬場になりました。それにより、基本的に好走する傾向のある「一杯系」が台頭。5日目の洲本特別(1400m)ではトラックで一杯に追われたスマートギルドが勝って単勝5700円。6日目の1000万下2000mでは、同じ調教タイプのフォグキャスケードが12番人気の低評価にも関わらず、差のない4着に食い込みました。よって今週末はトラックで一杯に追われた人気薄に要注意です。

 中京の芝は雨の影響があったようで5、6日目ともに先週に比べて時計が掛かりました。これによって見えてきた調教傾向が「坂路で一杯に追われた馬」。特に1800、2000mでその傾向が目立っており、6日目の名鉄杯では11番人気2着のアメジストリング、安城特別では1、2着が坂路で一杯に追われた馬でした。5日目には2000mの岡崎特別で坂路で調教されたウインシンシアが見事な差し切りを決めており、次第に通常の中京芝の調教傾向になっています。1200mでは坂路を本数多く調教された馬の1、2着で馬連28080円。こちらはますます坂路調教馬有利の馬場になっています。

 逆に雨の影響を受けて先週よりも調教傾向が出にくくなったのがダート1700m。4日目に行われた1000万下の瀬戸特別では調教量の多い人気薄の調教タイプが好走しましたが、5日目の同条件で行われた伊良湖特別は瀬戸特別より1.6秒勝ち時計が速く、馬ナリの軽い調教タイプが1、3着でした。雨が降って時計の速い馬場になると好走するのが馬ナリ系。当日の馬場状態、時計の出方で好走する調教タイプが対極になることを覚えておいてください。

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 どのコースで何本追い切っているか、好走時、凡走時の調教過程など、過去の調教パターンを比較することで、各馬の仕上がり具合をチェックすることできます。また、直前の追い切りパターンとレース結果と参照することで、今の馬場状態では坂路調教馬が有利、もしくはコース調教馬が有利など、調教タイプでの馬券検討が可能になります。この機会に是非、調教タイムを使ったレース検討の面白さを実感してください。

調教タイムサンプル1 | サンプル2 | サンプル3

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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