中山、阪神はそれぞれ開催の最終週、中京は4週目を終えた先週。先々週の傾向がそのまま出た条件もあれば、開幕週のような状態に戻ってしまった条件もあり、調教傾向は競馬場ごとに様々です。そのあたりを各競馬場で見ていくことにしましょう。

　まずは3歳牡馬牝馬の重賞が行われたのが中山の芝。フラワーCは坂路で本数多く調教されたブラックエンブレム、スプリングSはトラックで標準的な強さと本数で調教されたスマイルジャックが勝ちました。オープン特別の東風Sでは坂路で標準的な強さと本数で調教されたステキシンスケクンが逃げ切りを決めているので、調教量が必要な馬場といえます。ただ未勝利、500万下があった2000mは、調教量が少ない馬でも好走しており、道中がゆったり流れやすいこの距離に関してはあまり調教量を気にしなくてよいでしょう。

　そして今週は2500mで日経賞が行われます。6日目に同距離で行われたサンシャインSは、トラックで本数多く調教されたホクトスルタンが逃げ切っています。基本的に調教本数が多い併用調教馬が好走する2500mだけに、あまり少ない調教本数では厳しいはずです。

　ダートに関しては距離問わず連闘馬に注意してください。馬券的には7日目の1000万下でマルブツクロスが2着に入った実績しかありませんが、8日目の1000万下では11番人気のタケデンノキボーが差のない5着に入っているので、おいしい馬券を演出する可能性を秘めています。

　阪神の芝は先週の当コラムで書いたように併用調教馬が好走しました。8日目の但馬Sでは単勝6600円のバトルハートオーが逃げ切り勝ち。このレースには5頭の併用調教馬が出ていましたが、すべての単勝を買っても回収率は1320％だったことになります。今週は3歳重賞の毎日杯が行われます。距離は200m違いますが、バトルハートオーのような先行脚質で調教本数多い併用調教馬が出走してくれば要注意です。

　ダートも先週の当コラムで書いた通り「一杯系」が好走。7日目の伊丹Sでは坂路で一杯に追われたヤマカツブライアン、続く12R1000万下ではトラックで一杯に追われたアグネスマクシマムが勝ちました。スローペースになりがちな少頭数を除いては、一杯系の調教タイプを狙うべきでしょう。

　中京の芝ですが、1200mは開幕週に戻ったような時計の速い決着が続きました。その結果、4コーナーでは1、2番手につけていないと馬券に絡めないような状況です。高松宮記念に関しては過去の傾向も含めて、競馬総合チャンネルの「今週の調教Gメン」で解説したいと思います。ただし、週ごとに変化する馬場状態だけに現時点で予測することは難しいので、「速報!調教Gメン」でも土曜日の傾向をじっくり見た上で高松宮記念の結論を出そうと思います。

　中距離に関しては、例年通り併用調教馬が好走するようになりました。7日目の未勝利2000mのブラストダッシュ(単勝1710円)、あざみ賞のヒルノラディアン(単勝1430円)はともにトラック、坂路を併用して一杯に追われていました。人気薄でも今の調教適性ある馬場に乗じて馬券圏内に食い込んでくるので、単勝・複勝で積極的に狙ってよい調教タイプです。

　ダート1700mに関しては基本傾向であるトラックで一杯に追われた馬と坂路で本数多く調教された馬が好走している点に注目してください。


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　どのコースで何本追い切っているか、好走時、凡走時の調教過程など、過去の調教パターンを比較することで、各馬の仕上がり具合をチェックすることできます。また、直前の追い切りパターンとレース結果と参照することで、今の馬場状態では坂路調教馬が有利、もしくはコース調教馬が有利など、調教タイプでの馬券検討が可能になります。この機会に是非、調教タイムを使ったレース検討の面白さを実感してください。

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