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一杯調教馬の上がりに注目

  • 2008年03月31日(月) 22時29分
 中山、阪神と連続開催となっているため、比較的調教傾向が出やすくなっています。特に阪神ダートは雨の影響もさほど受けずに調教傾向がハッキリしています。ではさっそく競馬場ごとに見ていきましょう。

 日経賞が行われた中山芝は連続開催のおかげで調教傾向が明確になりました。勝ったマツリダゴッホ、2着のトウショウナイト、そして3着のアドマイヤモナークが、すべてトラックで本数多く調教されていた馬でした。先週の当コラムで書いたように、同距離で行われていたサンシャインSの調教傾向を引き継いだ結果となりました。1800m〜2200mのレースに関しても調教本数は極めて重要で、未勝利、1000万下とクラス問わず本数の多い馬が勝っています。今週からBコースになりますが、この傾向はますます進んでいくでしょう。

 1600mでダービー卿CTが行われますが、日経賞に比べて距離が短くなるとはいえ、同じような調教傾向になるはずです。また、ダービー卿CTの調教傾向として、最終追い切りが坂路で行われた馬でラスト1Fに最速ラップを計測していた馬が好走しやすいことを覚えておいてください。昨年は11番人気のマイネルハーティーが3着でした。

 ダートは1800mで1着なくて2着が坂路で本数多く調教された馬。1日目の富里特別エターナルスマイル、2日目マーチSはマコトスパルビエロがそれに該当して2着でした。2日目の未勝利戦でもメジロティモンが2着しており、出走があれば勝てなくても必ず連対しています。

 ただし馬券の破壊力では、ポリトラック追い切り馬です。こちらは1200、1800m問わず、勝ち馬が出てきます。先々週の8日目3Rの未勝利戦(1800m)で飛び出た馬連34万馬券はポリトラック決着でした。先週こそ爆発はありませんでしたが、破壊力が抜群なだけに簡単にはお目にかかれません。根気よく追い続ければ、とんでもない馬券になるのがポリトラック追い切り馬です。

 阪神の芝中距離は調教本数多い併用調教馬が好走するのがここ3週の調教傾向。1日目に行われた毎日杯も例外ではなく、ディープスカイが快勝して単勝870円。とにかくこの条件では黙って買いの調教タイプです。

 今週大阪杯が行われるのは毎日杯と違って2000mですが、先々週の但馬Sでは調教本数多い併用調教馬のバトルハートオーが逃げ切りを決めており、狙う調教タイプは内まわりでも外まわりでも変わりません。詳しくは、競馬総合チャンネルの「今週の調教Gメン」で解説致します。

 最後に阪神ダート。個人的には先週はこの条件が最も儲かりました。その理由は簡単。距離問わず「一杯に追われた馬」を買うこと。7日目2Rのヤマニンリュバン。これは坂路で一杯に追われていましたが単勝350円なので配当的には平凡です。7Rのトーホウドルチェも同じ調教タイプでしたが、単勝310円ですから特には威張れません。しかし、8日目は1Rのオタカラボックスが坂路で一杯に追われて単勝5370円、2Rのキタサンイチは坂路でスパルタ的に一杯追われて単勝2270円。これらの馬は一杯系だという目星をつけていないと狙えない馬だと思います。

 京都に比べると直線の坂もあって一杯系が好走しやすい阪神ダートですが、その週ごとの水分の含み具合や気温などによって多少傾向が変化します。よって、一杯系が好走できる馬場かどうかを見極めるには「上がり」に注目してください。

 例えば1日目12Rは牝馬限定戦の1200mで、通常の馬場状態なら一杯系は苦戦するはずのレース。ただ前記のように午前中から一杯系の活躍が目立っていたので、ひょっとしたらと注目していたレースです。しかしながら出走メンバー中、この調教タイプに該当するのは12番人気のシュウザンアイただ一頭。これは苦しいだろうと思いましたが、メンバー中最速の上がりを使って7着まで差してきました。このように馬券にならなくても一杯系の馬がメンバー最速の上がりを使うことができれば、その馬場は一杯系が好走できる少し重たい馬場なのです。たとえ軽い調教しかやっていない馬が1着になったとしても、一杯に追われている馬がメンバー最速の上がりを使っていれば、必ずその週のどこかのレースで一杯系が穴を出してくれます。

 競馬総合チャンネルの「速報Gメン」では上記の方法で土曜日のダートの傾向を見極めて一杯系が好走する馬場であれば、それに該当する穴馬をピックアップする予定です。


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調教タイムサンプル1 | サンプル2 | サンプル3

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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