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仮柵移動で調教傾向如実

  • 2008年04月09日(水) 14時05分
 中山芝は先々週の時点で調教本数が多い馬が有利な馬場になっていましたが、先週からBコースへの仮柵移動があった影響で、一層調教傾向に色が出てきました。

 過去のレース傾向から調教本数の多い馬が有利だったダービー卿CTは、今年も調教本数の多い馬が1、2着でした。一昨年の同レース2着馬であり、2番人気を背負ったキングストレイルは、馬なり中心の標準的な本数のトラック調教で10着と惨敗しました。

 一昨年のキングストレイルは、坂路で本数多く調教を積んでいました。ダービー卿CTは同じ中山芝1600mで行われる京成杯AHと違い、調教量が問われるレースです。京成杯AHを休養明けで調教量少なく勝っていますが、レースが違えば問われる調教内容も変わってくるということなのです。

 またBコースになり、下級条件でも馬なり中心のトラック調教では苦戦を強いられています。4日目の3歳500万下は、馬なり中心のトラック調教馬エイブルベガが単勝2.2倍で断然人気を背負いましたが5着。3日目の隅田川特別でも、同じく馬なり中心のトラック調教だった1番人気ベルジュールが競走中止、3番人気ウインクルセイドが10着でした。

 これらのレースはすべて1600m。今週の3歳重賞NZTが行われる条件です。もし馬なり中心のトラック調教馬が1〜3番人気に入るようであれば危険な人気馬といえます。

 ダートは「連闘」が穴馬券のキーワード。3日目の12Rで強烈な追い込みを決めた11番人気2着のシュウザンアイ。4日目の12Rでも11番人気2着のオープンザゲートが追い込みを決めています。実はこの2頭に共通しているのは、「関西遠征後の連闘」。4日目8Rを勝ったローランバークも関西遠征後の連闘であり、通常であれば強行軍と思えるローテーションですが、逆にそれが走ることへの刺激になっていると思われます。

 大阪杯が行われた阪神芝。大阪杯と同距離で行われた明石特別では、併用調教馬のタニノディキディキ、ニホンピロレガーロが1、2着。そして大阪杯では休養明けを併用調教で仕上げたアサクサキングスがあわやの3着でした。3日目の2000、2200mでも併用調教馬が好走しており、中距離に関しては併用調教馬有利な状態が開催終了まで続くでしょう。

 そして今週の桜花賞。詳しくは競馬総合チャンネルの「今週の調教Gメン」で解説しますが、2回阪神になって1600mの鞍数が少なく、今の馬場状態に適した調教タイプの分析が難しいのが現状です。基本的な桜花賞の調教傾向は、坂路もしくは併用調教馬が有利です。また3日目に行われた3歳500万下で1〜3着までを坂路調教馬が独占した結果を考えると、例年通りの狙い方で問題ないのではないかと思います。

 5日目に行われる阪神牝馬Sは1400m。この距離は坂路での時計が速い馬を順番に買うことが的中への近道。4日目のマーガレットSも、出走メンバーの中で坂路の全体時計最速ファリダットが快勝しました。よって今週の坂路の追い切り時計に注目してください。

 阪神ダートは3日目の未勝利戦でスパルタ的に一杯追いをされていたピンクペガサスが勝って単勝2150円。やはり先週までの傾向は続いていると確信しましたが、3日目はともかく4日目ひと息の成績。先週の当コラムで書いた「出走メンバー中最速の上がり」も一杯に追われた馬ではなくなりました。時計自体は大きく変化していないのですが、馬場の含水量が影響しているのではないかと思います。先々週は競馬開催中に雨が降ることもありましたし、月〜金曜にも降雨がありました。しかし先週は中間に雨が降ることなく相当乾いた馬場でした。

 本来は雨が降ると馬場が締まるので時計が出やすく、一杯系が好走できなくなりますが、阪神ダートの場合は適度に水分を含んでいる方が一杯系が好走できます。今週は月曜に雨が降っていますし、木、金曜に雨予報。これで先々週までの馬場状態が再現できるでしょうから、再度一杯系を狙い打ちできる馬場になるはずです。


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調教タイムサンプル1 | サンプル2 | サンプル3

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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