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『うまレター』月刊誌に昇格

  • 2008年04月08日(火) 23時49分
うまレター

 平成18年4月に創刊された「うまレター」というフリーペーパーがある。「中央競馬、地方競馬、生産牧場、引退活躍馬の現況など、馬に関わる情報を一冊にまとめたフリーマガジン」で、体裁はB5判32頁。フルカラー。当初は4月、6月、8月、10月、12月の年5回発行(冬場は休刊)だったそうだが、いよいよこの4月号(4月1日発行)より待望の月刊誌になった。

 発行元は札幌の(株)ドリームストーリー社。もともと競馬ファンだった同社の浜近英史氏が企画を練り上げ、主に北海道内のライターや編集者などが協力する形で2年前にスタートした。

 発行部数は8万部。かなり広い範囲に設置、配布されており、中央競馬の各競馬場やウインズ、さらに、南関東や笠松などの地方の競馬場でも配られているらしい。将来的にはもっと部数を増やし、九州まで範囲を拡大したいという意向とか。

 さて、簡単に最新号の内容を紹介しておく。巻頭の「ファームレポート」は、村本浩平氏による「キストゥヘブン(第66回桜花賞の勝ち馬)のふるさとを訪ねて〜日高町・正和山本牧場」、そして「馬産地雑学講座その2『出産』」、「プレイバック皐月賞」(ダイワメジャー)と続く。「地方競馬ニュース〜岩手編」あり「南関東ニュース」あり「ホッカイドウ競馬ニュース」あり、荘司典子さん(グリーンチャンネル・キャスター)によるエッセイあり、と盛り沢山である。

 また、前号でスペシャルウィーク産駒(母トロピカルフラワー、2歳牝馬、新冠町カミイスタッド生産)の馬名(競走名)を同馬の馬主である村島昭男氏の協力により募集したところ、応募総数131通の中から「レッドハイヒール」に決定したことを伝える「追っかけリポート」というコーナーもある。

 同馬は夏の札幌デビューを目指して鋭意調教中らしく、今後は毎月この馬の現況を誌面で伝えることとなるだろう。

 フリーペーパーゆえに、同誌は基本的に広告収入で発刊の経費が賄われている。目下のところ、広告主は東京シティ競馬(TCK)や楽天競馬、ノーザンホースパーク、日高ケンタッキーファーム、日本軽種馬協会など多士済々だが、さらにその数を増やして誌面充実に努めたい、とのこと。

 フリーペーパーは、基本的により多くの発行部数と広範な配布の範囲により「宣伝効果」を上げる以外に生きる道はない。生産地の景気が冷え込んでいる現在、新たな広告主を獲得するのはかなり大変な道のりだが、何よりせっかく11号まで続いてきた雑誌である。何とか今回の月刊化を契機として更なる発展を遂げて欲しいと思う。

 …と簡単に誌面を紹介してみたが、「実際、手に取って見なければ何とも分からない」という方もおられるだろう。次号は5月1日発行予定で、現在定期購読を受け付けている。基本的に定価は無料だが、郵送料及び手数料として、5回分2000円、12回分4000円で以下の住所まで申し込みしていただきたい。

〒060-0032 札幌市中央区北2条東1丁目4-9 アーバンコート武蔵野503 (株)ドリームストーリー[うまレター]定期購読係宛

 インターネットの普及により、紙媒体が苦戦を強いられていることはよく知られたところだ。かつて競馬人気が頂点に達していた頃には多くの月刊、季刊誌が発行されていたことも記憶に新しい。だが、いつの間にか次々にそれらの多くが休刊もしくは廃刊となり、最近では地方競馬を扱う唯一の「ハロン」もとうとうネット配信に変更となった。

「うまレター」には、中央のみならず地方競馬をもカバーした総合情報誌を目指して欲しいと思う。なお、HP(http://www.umaletter.com/)も閲覧されたし。

岩手の怪物トウケイニセイの生産者。 「週刊Gallop」「日経新聞」などで 連載コラムを執筆中。1955年生まれ。

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