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信ずべきものとは

  • 2001年10月04日(木) 00時00分
 疲労を表面に出さないので、春は調教も手控えずにやったら、高松宮記念では馬体がギリギリになってしまった。最初からマイルぐらいまではと考えていたので、安田記念にも出走させた。でもすっかり馬体が細くなってしまって。秋をめざして、その点を一番考えて調整をしてきた。と、スプリンターズSを勝って春秋のG1スプリント戦を連覇したトロットスターの中野栄調教師は語っていました。直前の追い切りでいいタイムが出ていなかったため人気を下げていたが、一週前に一応の目途は立ったとみて、直前は疲労を考え手控え、あとはこの馬の底力を信じてのぞんだのでした。馬体重のプラス24キロ、これをどう読み取ったか、その一点に尽きるスプリンターズSだったのです。
 馬の力をどう信じているか、これは競馬のベースになるもの。特にG1シリーズでは、大切にしなければなりませんね。

 さて、テイエムオペラオー、ナリタトップロード、ステイゴールドがターフに戻ってきました。
 年内で、現役を切り上げるオペラオーにとっては、すでにつかんでいる王者としての立場を守っておかなければという、大きな重圧があります。G1を8勝、天皇賞4連覇、秋のG1の3戦2年連続完全制覇など、かつて見られなかった大記録を目前にしています。オペラオーの力を一番信じているのが、他ならぬパートナーの和田騎手です。その信念に寸分の狂いのないプレイを見せてくれることでしょう。そして追うナリタトップロード。春を早く切り上げた成果をと期待するところ大です。さらにはステイゴールド。年内でこれもターフを去るようです。ドバイでファンタスティックライトを下したあの感激は、ずっと記憶に残っていくでしょう。もう一頭、メイショウドトウも年内で引退します。テイエムオペラオーを頂点とした競馬にも、そろそろ変化がやってくることになります。

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ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

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