先週の中山芝は5日目と6日目では大きな差があります。それが「雨」。6日目は前夜からの土砂降りの雨が影響して、極度に水分を含んだ重い馬場に変化。逃げ切りあり、追い込みありと、そのレースごとの騎手の心理で流れが変わってしまうという、予想する側にとってはとんでもなく難しい馬場となってしまいました。
しかし、雨の影響がなかった5日目は先々週から続いた調教本数多い馬の好走傾向は続いていました。野崎島特別ではトラック坂路併用で本数多く調教されたユキノハリケーンが単勝2060円の見事な逃げ切り。船橋Sでは坂路で本数多く調教されたニシノプライドが2番人気での勝利でした。NZTでは1、3着に併用調教馬が入り、運動量が必要な馬場であるを示しています。
6日目の影響を受けて今週末の開催。馬場が傷んだと仮定すると時計が掛かることが考えられるので調教量は5日目以上に必要になってくると思います。もちろん皐月賞も例外ではありません。詳しくは
競馬総合チャンネルの「今週の調教Gメン」で解説したいと思いますが、7日目の同じ距離で行われる3歳戦、山藤賞でどのような調教タイプが好走するかも見ておくことも重要です。
ダートは先週の当コラムでも書いたように連闘馬が好走する傾向が継続。先週の競馬では出走数が少なかったので、目立った穴馬券はありませんでしたが、ジェイケイボストンやクリノラブゴールドといったところが馬券圏内に絡んでいますので、引き続き狙いたいパターンです。
阪神の芝は桜花賞こそ軽い調教内容の馬が1、2着を占めて大波乱となりましたが、それ以外のレースでは調教量が必要な馬場だったといえます。5日目に行われた2000mのアザレア賞では併用調教馬が1、2着。そして2400mの大阪ハンブルクCでも1、3着が併用調教馬でした。6日目の忘れな草賞(2000m)は坂路で本数多く調教された馬の1、2着でした。
今週は7日目にマイラーズCが行われますが、古馬の重賞という点から3歳牝馬限定の桜花賞の結果を参考にするよりも、他のレースで見られた併用有利の調教傾向を重視すべきでしょう。
そして芝1400mでは坂路で最終追い切りを行った馬が大活躍でした。なかでも出走メンバー中、最速の追い切り時計をマークしていた馬はほぼ連対する結果に。5日目の3歳未勝利戦でシルポートが1着、阪神牝馬Sのブルーメンブラットが2着でした。よって今週末に行われる芝1200mでも、坂路の最終追い切りでメンバー最速の時計をマークした馬を中心に馬券を組み立ててはいかがでしょうか。
ダートに関しては中間に雨が降り、絶好の一杯系統が走る馬場になったと思いましたが、期待したほどの結果とはいきませんでした。しかし5日目12R(1800m)にトラックで一杯に追われたハイエンドクォーツがメンバー中最速の上がりを計時したように、一杯系統が好走できる馬場であることは確か。6日目に同じ調教タイプのサンワードランが7番人気2着という結果を残していますから、馬場状態は先々週より確実に一杯系統が好走できる馬場に変化しています。今週は木曜、金曜に雨予報。爆発力がある一杯系統だけに阪神開催最終週に大きな花火を打ち上げる可能性は大です。
最後に先週から開幕した福島競馬。まず芝ですが、1日目の未勝利戦を見ていると軽い調教内容の馬が好走していたので、調教傾向が掴み辛い馬場ではないかと思いましたが、土日トータルで見ると明らかに強い調教が必要な馬場だと思います。
2日目に2000mで行われた福島民報杯はトラックで一杯に追われたフィールドベアーが勝利。そして2着には調教本数多い併用調教のグラスボンバーが後方から差してきました。また1日目のひめさゆり賞(1800m)でも坂路で本数多く調教されたホワイトピルグリムが後方から差し切りを決めて1着になっており、開幕週だからといって軽い調教を行った馬の逃げ切りということではありません。同じレースに中1週で中間に追い切りをしていなかったネオスピリッツが2番人気の支持を受けていましたが、結果は6着。これらの結果から調教量が必要な馬場であることは間違いありません。
ダートに関しても調教量が必要だといえます。先行脚質が有利なのはローカル競馬場特有ですが、逃げたにせよ調教量が少ないと息切れして後続に差されるケースが目立ちました。確固たる逃げ脚質でしっかりと調教が積まれている馬には逆らえませんが、調教内容が軽くて逃げるということや中舘騎手が乗っているということだけで人気するような馬であれば、調教適性で馬群に飲み込まれてしまうことは十分に考えられるでしょう。
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