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京都ダート1800mのスパルタ

  • 2008年04月22日(火) 18時00分
 先週で中山、阪神の開催が終了。今週からは東京、京都での競馬が開催します。福島に関しては先週までの結果を元に開催分析をしていますが、東京と京都に関しては前開催の回顧をしながら、開幕週の調教傾向を予測したいと思います。

 まずは2月以来の開催となる東京。目立った調教傾向としては芝2000mでのトラック、併用調教馬の活躍です。5レース中、3レースで勝ち馬を出したトラック調教馬の単勝回収率は199%(該当馬29頭)でした。この数字には白富士Sを逃げ切った13番人気ヨイチサウスが貢献していますが、トラック調教馬が有利にレースを進めることができるのが2000mなのです。

 今週はこの距離でフローラSが行われるので、更に詳しい解説は競馬総合チャンネルの「今週の調教Gメン」に書かせていただきます。

 ダートに関してはフェブラリーSが行われた1600mで注目すべき調教傾向がありました。それは併用調教馬の単勝回収率。該当馬は47頭いましたが、その回収率は685%。これは未勝利戦で単勝24900円と大爆発したミラクルロザリオの配当が含まれているために跳ね上がった数字ではありますが、この配当を引いても単勝回収率は158%あります。

 良馬場で東京ダート1600mが併用調教馬が有利な状態は通年の基本になりますが、降雪の影響で水が浮くような馬場が多かった1回東京の開催で、これだけ併用調教馬が結果を残せたことは、よほど併用調教馬が有利な馬場だと思います。初日から未勝利、500万下の2鞍で1600mのレースが組まれていますので、ぜひ注目してみてください。

 続いて1月から2開催連続して行われて以来となる京都。こちらは内まわりで行われる芝1200、1400mのトラック調教馬に注目します。特に1200mではファイングレインやプレミアムボックスなどが勝って単勝回収率143%。トラック調教馬の出走があった5レース中、3レースで勝ち馬を出しているので調教適性が高いことが明らかです。

 先週まで行われていた阪神開催の芝1200、1400mではとにかく坂路調教馬が好走していたので、トラック調教馬が出る幕がありませんでした。しかしながら舞台が京都に替われば一変可能。前走時に阪神の芝1200、1400mをトラック調教で惨敗した馬が再びトラック調教でこの距離に出走してくれば、人気落ちで絶好の買い時です。

 1、2回京都開催のダート1800mは先週までの阪神開催より一杯に追われた馬が好走していました。調教Gメンのタイプ分類で最も調教が強く本数多い「スパルタ」の複勝回収率が291%(該当馬33頭)もありました。スパルタで調教されている馬は近走成績が奮わず、調教で鍛えて一変を期待する、そんな厩舎サイドの思いが込められているのですが、如何せん成績が悪いので人気になりません。しかしそのような調教を課された馬が実績に関係なく好走できるのが京都ダート1800mなのです。

 今週は重賞アンタレスSが行われますが、過去2年ではスパルタの調教タイプが出走していないので、当然馬券にも絡んでいませんが、今年出走すれば非常に面白い存在になるでしょう。初日のダート傾向も見た上で、該当する馬がいれば競馬総合チャンネル「速報!調教Gメン」でピックアップしたいと思います。

 最後に福島。先週は3、4日目ともかなり雨の影響を受けました。特に4日目の芝中距離は徐々に馬場が乾いているにも関わらず時計の掛かる馬場状態。その結果、本数多く調教を積んでいる馬や一杯に追われている馬の好走が目立ちました。今週は5日目に福島牝馬Sが行われますが、時計の出る馬場状態に変化しているとは思えないので、牝馬限定の重賞でもある程度の調教を積んだトラック調教馬が有利な馬場になるでしょう。

 4日目のダートは馬場が乾くことで脚抜きがよくレコードを更新できるような状態。調教の適性ではなく、自身のスピード能力が問われたレースだったと言えます。馬場が乾いてくれば、運動量が必要な馬場になると思われます。

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 どのコースで何本追い切っているか、好走時、凡走時の調教過程など、過去の調教パターンを比較することで、各馬の仕上がり具合をチェックすることできます。また、直前の追い切りパターンとレース結果と参照することで、今の馬場状態では坂路調教馬が有利、もしくはコース調教馬が有利など、調教タイプでの馬券検討が可能になります。この機会に是非、調教タイムを使ったレース検討の面白さを実感してください。

調教タイムサンプル1 | サンプル2 | サンプル3

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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