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青葉賞は坂路終い最速ラップ

  • 2008年04月28日(月) 22時09分
 先週から開幕した東京、京都競馬。調教傾向がくっきり出た条件もあれば、まだ掴みどころがない条件もありましたが、分かりやすい傾向が出た条件を中心に回顧していきたいと思います。

 東京の芝ではオークストライアル、フローラSが2000mで行われました。この2000mは、今年の1回東京からトラック調教馬が有利と先週の当コラムでも書きましたが、予想通りトラック調教馬のレッドアゲートが勝ちました。そして2番人気シングライクバード、3番人気カイゼリンの坂路調教馬が5、6着に敗れているので、トラック有利の馬場状態であったことは確かでしょう。

 2着、3着には併用調教の6番人気カレイジャスミン、8番人気キュートエンブレムが入りましたし、芝中距離においては坂路調教馬は人気でも軽視、トラックもしくは併用調教馬を中心に馬券を組み立てることをおすすめします。

 ただし2400mに関しては坂路調教馬に注目してください。1日目に行われたメトロポリタンSを勝ったアルナスラインは坂路で最終追い切りを行い「終い最速ラップ※」を踏むことができていました。東京芝2400mはこの終い最速ラップを踏んだ馬が好成績を残しており、昨年のオークス2着馬ベッラレイア、そしてダービー馬ウオッカもこの終い最速ラップを踏んでいました。

 今年のメトロポリタンSでも終い最速ラップの馬が勝ったということは、今年のオークス、ダービーにおいても調教適性があるといえます。今週末3日目には2400mで行われる青葉賞があります。ちなみに昨年のこのレースでは、15番人気のトーセンマーチが終い最速ラップで2着でした。今年の青葉賞も坂路終い最速ラップを踏んだ馬がダービーへの優先出走権を獲得するでしょう。

 今週の京都は天皇賞春が行われますが、芝の状態は時計の掛かっていた今年の1、2回京都とは違って標準的な時計の出る馬場に戻った印象です。外まわりのレースでは速い上がり時計になるレースが多く、3歳戦を除いた外まわり3レースの勝ち馬はすべて上がり33秒台でした。1800mで行われたオーストラリアTも坂路で追い切られたオーシャンエイプスとサクラメガワンダーで決着しており、今の京都芝外まわりは坂路で鍛えられた瞬発力が必要だと思います。

 アンタレスSが行われたダートはとにかく時計の速い馬場。俗にいう時計が出やすい馬場は「軽いダート」、「脚抜きが良いダート」なので運動負荷が軽く、あまり調教量を必要としない場合が多いのですが、今の京都は運動量が必要になります。その典型は2日目12Rで、掲示板の5頭はすべてトラックもしくは坂路で一杯に本数多く追われたスパルタタイプの馬でした。

 ただ時計が速い馬場なので後方からの差しが届きにくいため、先行能力があって一杯に本数多く追われている馬がバテない馬場だと考えてもらってよいでしょう。今年の1、2回京都でも当コラムで同様の内容を書いた覚えがありますので、そういった意味では1、2回京都とあまり変わりない馬場といえます。

※「終い最速ラップ」とは坂路での追い切り時計を1Fごとのタイムに換算し、順位をつける。その時、最後の1Fが一番速ければ終い最速ラップとなる。なお最後の1Fよりも2F目が速かったとしてもその差が0・1秒以内であれば終い最速とする。

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 どのコースで何本追い切っているか、好走時、凡走時の調教過程など、過去の調教パターンを比較することで、各馬の仕上がり具合をチェックすることできます。また、直前の追い切りパターンとレース結果と参照することで、今の馬場状態では坂路調教馬が有利、もしくはコース調教馬が有利など、調教タイプでの馬券検討が可能になります。この機会に是非、調教タイムを使ったレース検討の面白さを実感してください。

調教タイムサンプル1 | サンプル2 | サンプル3

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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