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東京芝は運動量が鍵

  • 2008年05月06日(火) 19時00分
 先週から新潟競馬が開幕して、現在は東京、京都、新潟の3場開催。なかでも東京、京都は2週4日間の開催が終了して、それぞれ調教傾向が顕著な条件が明らかになってきました。今週もそれらの条件を中心に回顧していきたいと思います。

 現在、最も調教傾向が顕著といっても良いのが、東京の芝1600、1800、2000mかも知れません。先々週、フローラSが行われた2000mはトラック調教のレッドアゲートが勝ち、併用調教のカレイジャスミンが2着で、坂路調教馬が苦戦したことを当コラムでも書きましたが、その傾向は1800mで行われたスイートピーSで見られました。

 トラック調教のアロマキャンドルが勝って、併用調教のスペルバインドが2着。2番人気の坂路主体で調教されていたライムキャンディは12着に惨敗したことで、坂路調教馬苦戦の傾向は続いているといえます。

 またトラック調教馬であっても、府中S(2000m)で1番人気に推されたトーセンクラウンのように、馬なりの強さで調教本数も少ない軽目の調教しかやっていない馬は惨敗します。スイートピーSの1番人気メイショウマリアも調教本数が少なく7着に惨敗しており、東京芝中距離では1、2番人気の調教量が少なければ、人気薄の調教量豊富な馬が好走できることを覚えておいてください。

 そして1600m。今週はNHKマイルCが行われる条件ですが、こちらは坂路調教。先週は4鞍行われましたが、坂路調教馬が3勝を挙げています。坂路調教馬の中でも、本数多く調教を積んだ馬は対象レースに5頭出走。うち3頭が馬券圏内に絡んでおり複勝回収率は168%でした。金峰山特別では1、2着のユウタージャック、ブレイバーがこの調教タイプで、馬連8010円。同じレースに出走していた同じ調教タイプの8番人気ノーフォークパインが勝ち馬と着差なしの4着だったので、調教適性が高いことには間違いないでしょう。

 なお、NHKマイルCに対する見解は、競馬総合チャンネルの「今週の調教Gメン」で詳しくお伝えします。

 ダートに関しては1400mで顕著な調教傾向があります。それが3日目12Rのタムロイーネーのように坂路で一杯に追われた馬。先々週の未勝利戦でも同調教タイプが単勝1450円。中3週の馬であれば、3本の調教をすべて一杯に追われていないとこの調教タイプに該当しないため、出走数は極めて低いのですが、出てくれば勝ち負け必至の調教タイプです。

 京都の芝は開幕週より時計が速くなった印象ですが、極めて標準的な時計の時と変わらない調教タイプが好走しています。1600mでは朱雀Sで本数多い併用調教のヒカルオオゾラが1着。1800mの紫野特別でも本数多い併用調教のダイシングロウが1着になっています。天皇賞春でも坂路で本数多いアドマイヤジュピタと、併用で本数多かったメイショウサムソンが1、2着。外まわりの特徴でもある「本数多い調教」がくっきりと出ているので、3日目に行われる京都新聞杯でもこの調教傾向は続くでしょう。

 ダートは先週の当コラムで書いたように狙いは「一杯に追われた馬」。3日目12Rの1800mではトラックで一杯に追われていた16番人気ブルーフェアプレーが2着に激走し、3連単で500万馬券を演出しました。時計が速いので、どの1800mでも一杯に追われた馬が好走するとは限りませんが、とにかく大波乱になれば、この調教タイプが絡んでいます。1400mは坂路、1800mはトラックで一杯に追われた馬がよいでしょう。

 最後に新潟。ダートはまだ目立った傾向を掴んでいないので、芝を回顧します。私が注目したのは1600mの外まわり。坂路で一杯に調教された馬です。3日目の五泉特別にただ一頭の該当調教タイプとして出走していたケイエスバウアーが11番人気5着。勝ち馬と同じ上がり33秒5を出していたので、もう少し前で競馬できていれば馬券圏内だったと思っていました。すると翌日の未勝利戦に同じ調教タイプのハーリカが出走。こちらは中舘騎手が騎乗したこともあって、強引にハナを奪って単勝1860円の逃げ切りを演じました。1600mではこの調教タイプを狙い続けて間違いないと思います。

 ただし距離が延びる外まわりでは多少傾向が変わります。特に今週、新潟大賞典が行われる2000mは2鞍ありましたが、どちらもトラック調教馬が勝っています。昨年の新潟大賞典は坂路調教馬のブライトトゥモローが勝っているだけに、先週の2鞍だけでトラック有利とは言い切れませんが、あまり坂路調教馬ばかりに肩入れできないのが今開催の2000mだと思います。


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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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