新潟大賞典はローカルのハンデ重賞の中では、そうムチャな波乱はない。長い直線がその最大の理由で、他場の2000m重賞はコースどり、レースの流れが大きな比重を占めてしまうが、新潟の外回りだとペースうんぬんはそれほど大きな要素ではない。
昨年の勝ち馬ブライトトゥモローに連覇の期待をしたい。昨年はオープンに出世して間もなく、新潟は初めて。さらに2000mに出走したのも初めてのことだった。巧みに中団で流れに乗り、直線の中ほどから外に出して上がり33.7秒。インを突いた同じフレンチデピュティ産駒のサイレントプライドを差し、1分57秒7の勝ち時計はレースレコードだった。新潟2000mが合っていたのには明確な理由がある。いま絶好調の種牡馬フレンチデピュティの産駒はほぼ万能型にも幅を広げつつあるが、典型的なアメリカ血脈らしく、芝なら平坦コースが合うのは当然であること。
また、ブライトトゥモローの母の父はトニービン。トニービンの血を引く馬が東京、新潟の長い直線に圧倒的な良績を残すのは知られるところで、初の東京出走となった際も鮮やかに差し切っている。
また、牝系も平坦一族に近い。いとこになるトップガンジョーは、06年の新潟記念を1分57秒2で勝っている。
前回は2000mの大阪杯を0.3秒差5着だが、ダイワスカーレット、アサクサキングス、メイショウサムソン(6着)などと大接戦だったから、負けたとはいえ中身は文句なしだろう。
一昨年の勝ち馬オースミグラスワンも、目下のデキは文句なし。同じ57kgのハンデ。得意の芝コースと距離で人気の2頭のワンツーもありえる。まだまだ底をみせていない4歳サンライズマックスを加えた人気の3頭は強力。
休養明けでも評価下げ禁物は実績で上回る天皇賞・秋2着のスウィフトカレント。難しい馬だが予想以上にできている。だから、横山典騎手がコンビを崩すことなく遠征した。
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