JRA現役の4きょうだい全てがオープン馬

北九州記念を制したヤマニンアルリフラ(c)netkeiba
大きく人気が割れて、1番人気ながら単勝570円だったヤマニンアルリフラ(父イスラボニータ)が3連勝。格上がり初戦で初重賞制覇を達成した。
3歳12月、8戦しながらの未勝利馬として2勝クラスに挑戦。そこで初勝利を飾った珍しい経歴を持つ4歳のこの上がり馬。初勝利を契機に[4-0-1-0]。3歳春のデビュー当時454キロだった馬体重が、この日は40キロ以上も成長して496キロ。短期間に別馬のように変身しているからすごい。
きわめてタフなファミリー出身で、母ヤマニンパピオネの産駒は、7歳の兄ヤマニンサンパ(父ディープインパクト)が現役のオープン馬。6歳の姉ヤマニンアンフィル(父ダイワメジャー)も現役のオープン馬で、今回の北九州記念に出走して、出遅れながら弟から0秒2差の惜しい4着だった。5歳の兄ヤマニンウルス(父ジャスタウェイ)も昨年のプロキオンSを快勝している馬体重590キロ前後のたくましいオープン馬。JRAに所属する現役馬がみんなオープン馬の「4きょうだい」。めったにない記録だろう。
ヤマニンアルリフラから数えて3代母はUSAのG1勝ち馬。4代母はUSAで30戦17勝。5代母は同じくUSAで78戦8勝。6代母もUSAで79戦12勝の記録がある。
姉のヤマニンアンフィルは最内枠で出負けしたが、勝ったヤマニンアルリフラは互角のスタートから中団追走。道中の手応えは素晴らしく、鞍上の団野大成騎手は自信満々のように見えた。4コーナーで外に振られることもなく、先行のロードフォアエース(父ロードカナロア)、同じようにスパートしたヨシノイースター(父ルーラーシップ)の間に突っ込んだコース取りが絶妙だった。着差は半馬身でも完勝といっていい。
レース全体のバランスは前後半「32秒5-35秒3」=1分07秒8。前半が少し下り坂になるので、前半3ハロン32秒5はとくに速くはなく、北九州記念の平均的なパターン。後半がちょっとタイムを要して1分07秒8。標準止まりの決着だったが、今期の小倉の芝は超高速の芝ではない印象があるので、走破タイムは上々と思える。
昨年に続いて半馬身差惜敗の2着だったヨシノイースターは、昨年が1分08秒0(57キロ)。7歳の今年は58キロで1分07秒9。2年連続して大外の「16番枠、18番枠」はちょっと運がなかった。
3歳牝馬アブキールベイ(父ファインニードル)が3着。小柄な牝馬だけに、前走比マイナス12キロの408キロが心配されて人気は下がったが、元気いっぱいだった。ハンデ53キロは3歳牝馬とすればとくに軽ハンデではなかっただけに、0秒1差に突っ込んだ内容には価値がある。これで牝馬が必ず馬券に絡む形はもう20年も連続したことになった。
2番人気のロードフォアエースは、芝で初めて着外となり、芝コース通算[2-6-0-1]となってしまった。ハイペースに巻き込まれた不利はあったが、最近の成績通りもう少しタフな芝で1分08秒台くらいの決着向きかと思わせた。