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悩んだ末に… オーストラリアからの本帰国を決断 (無料公開/最終回)

  • 2020年04月17日(金) 18時01分
昨年の8月7日から、オーストラリアで長期武者修行を敢行していた富田暁騎手(栗東・木原一良厩舎)。新型コロナウイルスの世界的な影響を考え、熟考の末、日本に本帰国することとなりました。

今後は日本での騎乗を再開させる富田騎手。そのため急ではありますが、この遠征コラムは今回が最終回となります。帰国を決断した胸の苦しい内、そして今回の遠征の評価を語ります。

※このコラムは無料でご覧いただけます。


本当に残念な気持ちでいっぱいです


 netkeibaをご覧の皆さん、こんにちは。富田暁です。

 最初にご報告ですが、今回がこのコラムの最終回となります。4月14日に帰国し、現在は実家で自己隔離をしています。

 修行の期間は、「自分が納得するまでとことんやろう」と思っていたので決めていませんでしたが、今回の新型コロナウイルスの世界的な影響を考えると、やはり決断せざるを得ませんでした。僕としてもすごく迷いました。

 僕が住んでいた地域では、今でも競馬は行われていますが、いつ中止になってもおかしくない状態がずっと続いていました。飛行機なども、航空会社によっては欠航になったり、便数が少なくなっていったりで、まったく先が読めない状況でした。

 また、自分がもしコロナにかかってしまったときに、はたして一人で対応できるか…という不安もありました。それならば、飛行機がまだあるうちに帰ったほうがいいのではないかと思い、本当に何日も悩んで決断しました。

 3カ月前に日本からオーストラリアに戻ったときは、まさかこんなことになるとは思っていませんでしたし、今年はオーストラリアだけでなく、他の国にも乗りに行く予定を立てていたので、本当に残念な気持ちでいっぱいです。

 ただ、この9カ月の遠征は間違いなく自分を成長させてくれましたし、自信もつきました。今は気持ちを切り替えて、日本で頑張りたいと強く思っています。皆さんに成長した姿を見せられるように頑張っていきたいです。

ブレイキングドーン

▲お世話になったウィルクラーケン調教師


ブレイキングドーン

▲ウィルクラーケン調教師のお母さんと、アデレードにいたときに英語を教えてもらっていました!


 オーストラリアの最後のレースで勝つことはできたのですが、制裁をもらってしまい、2週間の隔離後もレースに乗れないことになってしまいました。

 もともと内にササる癖があった馬で、修正しながら直線は追っていたのですが、最後の50m地点で自分の気持ちが出てしまい、内側に斜行する形になってしまいました。最後はいい形で終わりたかったのですが、後味の悪い勝ち方になってしまったのが残念でなりません。

 自分の気持ちが出てしまってコントロールをおろそかにしてしまった結果なので、しっかり反省します。この乗れない期間を無駄にせず、騎乗停止明けからすぐに結果を出せるよう、しっかり準備したいと思います。

 今回の遠征は、たくさんの方たちのおかげで実現することができましたし、中身の濃い遠征にすることができました。ご協力くださった皆さんに感謝です。

 快く送り出してくださった師匠の木原先生、この遠征をコーディネートしてくださった皆さん、本当にありがとうございました。成長した姿を見せることが恩返しでもあると思うので頑張りたいです。

 そして、このコラムを読んでくださった読者の皆さん。励ましの言葉も届いていましたし、本当に力になりました。ありがとうございました。一日も早く皆さんの前で競馬に乗れるよう、今はただただ早く収まることを祈っています。

 約9カ月間、ありがとうございました!

1996年12月11日、茨城県生まれ。2017年にデビュー(栗東・木原一良厩舎)。同期は木幡育也、武藤雅、横山武史、川又賢治。一度は高校に進学入学するも競馬学校受験を決意。2度目の受験で合格。2018年、仏の若手騎手招待レースにJRA代表で参加。

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