▲“エモーショナル”最終回(撮影:桂伸也)
CBC賞を制覇後、幼馴染で同期でもある大久保友雅騎手と角田大河騎手からサプライズのお祝いメッセージを受け取った今村聖奈騎手。そのメッセージから、お互いの関係性が垣間見られましたが、最終回ではさらに同期との関係性を深堀り。実は今村騎手、同期の中ではリーダー的存在だったそうで…? そして、プロのジョッキーとして描くこれからの未来とは。短期連載「エモーショナル」もいよいよ最終回です。
(取材・構成=大恵陽子)
誰かが苦しんでいる時は、必ず誰かが手を差し伸べてきた
私たち競馬学校38期生は、近年では一番仲がいい期なんじゃないのかなって自負するくらい絆が強くて、誰かが苦しんでいる時は必ず誰かが手を差し伸べてきました。
同期はプライドが高くて、負けず嫌いで、気が強いっていう、すごく似たような性格の人が多かったので、ぶつかることもありましたけど、慣れてくるとお互いの性格をより尊重し合えるようになりました。それに何より、それぞれが陰で努力をしているのも分かっていたので、傷つくことは言わないし、本人がいないところでもこうやって尊敬し、切磋琢磨し合えるようないい関係です。
そんな同期の中で、私はみんなをまとめる役割だったかなと思います。教官から「同期を集めてこうするようにして」と任されていました。だいたいその役割は(角田)大河か私だったかな。たまに完璧主義になりすぎて逆に抜けちゃうところがあって、その時は同期がみんなツッコんで助けてくれました。
同期の中でも大河は親同士が知り合いということもあって、0歳くらいの時から会っていたみたいで、3歳の頃にはお兄ちゃんの大和くんともたくさん遊んでいたみたいです。幼稚園の頃は体操教室でも一緒で、お互いに名前だけはよく知っていました。
小学校に入学した時、私は学校に行くのがすっごく嫌で「行きたくない」と人見知りをしていたみたいです。そうしたら先生から「誰と席が隣なら学校に来られる?」と聞かれて、唯一知っているのが大河だったから「大河くんでいいです」と言って、最初の席替えでは大河が隣でした。
(大久保)友雅も3歳くらいから知っていて、小学2年生では大河と3人で同じクラスでした。当時はやりたい放題していて(笑)…懐かしいですね。
この頃からずっと3人一緒で、5年生からはトレセンの乗馬苑に入ってずっと馬に乗っていました。それぞれに「なりたい自分」が見つかって、中学1年生からジョッキーを目指すチームに入って一緒にやってきた仲間なので、私にとって2人はすごく特別な存在でもあります。
▲2人はすごく特別な存在(撮影:桂伸也)
全休日の月曜日や、厩舎の作業が終わる夕方5時以降はプライベートな時間です。趣味がそんなになくて、いまは“美”を追い求めています。
休みの日はハーブピーリングという、内面から肌を綺麗にするエステに行ったり、眉毛サロンに行ったり。ハーブピーリングと眉毛サロンは、同期の鷲頭(虎太騎手)も行っているんです。彼はいま北海道に行っていますが、お互いに美意識が高くて「今日、これに行ってきた」「俺も行ってみようかな」と、女子同士みたいな会話をしています(笑)。