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「遠くから永野猛蔵が走ってきて…」思わぬ再会と、引退の西園正都調教師との秘話

  • 2026年03月03日(火) 18時01分
太論

▲小牧太騎手が思わぬ再会を振り返ります(撮影:稲葉訓也)


リーガルタイムで挑んだ兵庫若駒賞は2着。大晦日の園田ジュニアCに続き、ゴッドフェンサーに敗れたわけですが、園田ジュニアCでゴッドフェンサーに騎乗していたのは小牧騎手。どちらの背中も知る小牧騎手いわく「逆転のチャンスは十分にある」。その機会は、菊水賞となるのか、はたまた兵庫優駿か。兵庫三冠ロードから目が離せません。

さて、先週の中央競馬では、2名のジョッキーと7名の調教師が現役最後の日を迎えました。そのうちのひとりである西園正都調教師とのコンビでは、多くの名勝負を残した小牧騎手。「印象に残ってるわ」と語る先生とのエピソードのほか、今もなお続く厩務員さんとのつながりを明かしてくれました。

(取材・構成=不破由妃子)

タクシーの列に並んでいたら遠くから永野猛蔵が走ってきて…


──先週の木曜日は、兵庫三冠ロードにつながる大事な一戦、兵庫若駒賞(重賞・姫路ダ1800m)がありましたね。先週の『太論』でも取り上げましたが、パートナーは初コンビとなったリーガルタイム(2着)。圧倒的1番人気のゴッドフェンサーを捕まえることはできませんでしたが、感触はいかがでしたか?

小牧 これまで外から見ていて「乗り難しそうやなぁ」と思っていたんやけど、意外と乗りやすかったわ。ゴッドフェンサーは強かったけど、逆転のチャンスは十分にあると思った。今回は初めて乗ったし、難しそうな馬やなと思っていたこともあって、攻めずに謙虚に乗っていったから。

──手応えを持っての三冠ロード。楽しみですね。

小牧 うん。これから菊水賞、兵庫優駿と一緒に戦って行く馬やからね。少し前まで本気でケンタッキーダービーを見に行こうと思ってたんやけど、この馬に乗るために中止にしたくらいやから(笑)。まずは菊水賞、いいところを見せたいね。

──若駒賞こそ勝利には届きませんでしたが、先週もきっちり4勝をマーク。加矢太さんが中央の障害で乗っていたアイファーキャップ(2月26日/姫路9R/C2/ダ1800m)が、26戦目にして初勝利を飾りました。

小牧 ようやく勝てたね。ちょっとズブいところがあるから、スピードの乗りはもうひとつやけど、そのぶん持久力がある。これからも1800mならいいところがありそうやね。あの日は10Rのダイヤグラフ(B2・ダ1500m)も強い競馬をしてくれた。僕自身も上手いこと乗ったね。

──後方から徐々にポジションを上げて、4角先頭。そこから後続を楽に突き放しての余裕の勝利でしたね。

小牧 ああいう展開になったのはたまたまや。なんせ馬に行く気がなかったから。でも、前半ゆっくりだったのがよかったのかもしれん。普通に前に行かせると、最後にどうしても詰めが甘くなってしまう馬やから、道中はじっくり行ったほうがよさそうやなと思った。

──さて、先週の中央競馬では、和田竜二騎手と藤岡佑介騎手が引退を迎えたほか、7名の調教師が最後の開催を迎えました(引退は3月3日付)。そのひとりが西園正都調教師で、シルポートを筆頭に、ハクサンムーン、エーシンポルックス、ハクサンフエロなどなど、小牧さんとのコンビも数多く見られた厩舎ですよね。

小牧 地方から乗りにきている頃もけっこう乗せてもらいました。小倉が好きな先生でね。最初の頃はよう乗せてもらったよ。

──先生とはどんな思い出がありますか?

小牧 一度だけ怒られたことがあるなぁ。確か京洛S(2012年)やったかな、ハクサンムーンに乗って負けたんですわ(15着)。国分恭介にビッシリこられて、ハナに行き切れなくてね。結果的に、共倒れみたいな感じになってしまった。で、上がってきたら、「舐められとったらアカン!」みたいな感じで先生に怒られて(苦笑)。あとから思えばね、恭介を行かせて、2番手でジッとしていたら勝っていたかもなぁと考えたりして、なんか印象に残ってるわ。前に『太論』でも話したことがあるけど、西園厩舎で厩務員をしている松尾心くんとはいまだに仲がいいからね。シルポートを担当していた厩務員さんで、そのころからの付き合いや。

太論

▲引退を迎えた西園正都調教師(c)netkeiba


──ああ、よくお名前が出る方ですね。

小牧 うん。心くんと繋がっているおかげでね、西園厩舎で使っていた道具やらなにやら、園田の玉垣(光章)厩舎にいろいろとくれて。西園先生からも電話をもらったって玉垣くんが言うてたわ。

──そうやって繋がっていくんですね。

小牧 そういえば、先生方の最後の日となった日曜日は僕も阪神競馬場にいて、ずーっと競馬を見てたんやで。

──それに合わせて行かれたんですか?

小牧 いや、そういうわけではないんやけど、大事な用事があって。しかし、馬券は難しいなぁ。全然当たらん(苦笑)。

──じゃあ、チューリップ賞のパドックで、佐賀のサキドリトッケンを引っ張っていた永野猛蔵くんにも会いました?

小牧 猛蔵、僕のところに挨拶にきたで。帰りにタクシーの列に並んでいたら、遠くから走ってきてね。「小牧さんがきていると聞いたので」って、わざわざ挨拶にきてくれた。なかなかないことやけど、こうしてまた中央のパドックに戻ってきてね。彼にとっても特別な一日になったんちゃうかな。

太論

▲永野猛蔵元騎手(ユーザー提供:あやねさん)


(文中敬称略)
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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。2024年には再度園田競馬へ復帰し、活躍中。史上初の挑戦を続ける。

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