競馬場に来ているお客様にnetkeiba編集部が直撃インタビューしちゃいますっ! 今回は関西圏! 春の京都競馬場。4/20(土)に潜入しました。さあいってみよー!
(取材=netkeiba編集部)
※当コラムは日曜日(随時)公開、全編無料でお読みいただけます。
No.23 母ちゃんユー
パドックで応援幕を貼っている方にお話を伺うと…
Aさん――どなたの応援幕なんですか?
Aさん これは…息子のなんです…。
――なんと! 息子さんがジョッキーなんですね!
Aさん そうなんです。近くで開催の時は応援しに来ています。
――レースはいつもどういう気持ちで見ていますか?
Aさん 命をかけた危険な仕事ですから、とにかく人馬無事にっていう気持ちです。ネットでも、ちょっと人気飛ばすとすごいこと(批判を)書かれるから…。色々あってのことやし、「辞めてしまえ死んでしまえ」とかそれはないでしょ…って。
馬を大事にしなきゃいけないから、無理させないレースとかもあると思うので。
――事情を知らないのに、批判ばかりする人もいますもんね。
Aさん ファンの方は馬券を買っているので、しょうがないとも思うんですけど、罵声を聞くと心が痛くなります。
――応援幕にはお守りがたくさん付いていますね。
Aさん いえいえ、気持ちです(笑)。
息子はそういうの持たないんです。(お守りが)どっかいったとかなったら、逆に不安になってしまうので。
――なるほど…。息子さんが最初にジョッキーになりたい! って言った時、どう思ったんですか?
Aさん いや、私がならせたんです。私が導きました(笑)。
昔、私の兄が競馬を見ていたこともあって大きいレースだけ馬券を買ったりしていたんです。
サイレンススズカが大好きだったのですが、予後不良になって。翌年にお墓参りに行ったのですが、旅行も兼ねて息子も連れて行ったんです。お墓参りついでに、夏休みの自由研究にでもなればと思って日高の牧場をず〜っとまわって。
その自由研究は競走馬のふるさと、という感じでまとめていたんですが、息子が後記に「将来は馬に関わる仕事がしたい、できればジョッキーになりたい」って書いたんです。
それから乗馬クラブを探したりして…。
――…お母さまも、大変ですね。
Aさん 大変ですよ〜。親も協力しないと…。
――お母さまも馬券を買うんですか?
Aさん 買いますよ買いますよ、もちろん! 応援馬券だけですけど。息子が出るレースは応援馬券だけです!
他は買わない(笑)。
――お母さまが来る日は、息子さんもわかっているんですか?
Aさん はい。来るときは分かっています。この幕も貼ってますしね。
――応援幕があるのは絶対に嬉しいですよね。
Aさん はあ…(笑)。
目は合わせませんけどね(笑)。
――今までお母さまが競馬を見てきた中で、一番印象的なレースはなんですか?
Aさん ディープインパクトが勝った宝塚記念ですね。阪神競馬場が改修工事でその年は京都競馬場だったんですけど、いやあほんとすごいなって思いました…。走っているところを見れて良かったなあ、と。
――最後に競馬界になにかひとことあれば…
Aさん えっ? ないですよ(笑)。
――では、息子さんにエールでも…。
Aさん 勝たなきゃ乗せてもらえないし…そういう世界ですからね。自分の努力でね。出来るだけ長く頑張ってほしいです。