前日の午後から降り出した雨の影響で、木曜の栗東坂路はたっぷり雨水を吸っていた。馬場はかなり重たいはずだ。それだけに、モニターに映し出された「4F49秒0」(3F36秒3-12秒6)の文字にはスタンドから驚きの声が上がった。
カオスモスが度肝を抜く併走追いを敢行した。相手の
ネロ(4歳1600万下)は、2歳時から(4F)50秒を切るのも当たり前という屈指のケイコ駆けの一頭だ。手綱を取った福永も「20数年トレセンにいるけど、オレの自己ベストかもしれない」と笑った。これに併入してのフィニッシュ。もちろん、この日の栗東坂路でぶっちぎりの一番時計となった。
「なんちゅう指示やって思ったよ。相手が50秒くらいで行くから後ろからついてってかわしてくれって。しかし、追ってなかったからなあ。調子悪かったらこんなに出ないでしょう」と福永もあきれ半分、驚き半分が本音だろう。それでも初コンビで臨むレースへは「前回はもたれたようだし、左回りがポイントでしょう」と冷静に分析していた。
提供:デイリースポーツ