今週の栗東は雨も降らず、暑すぎず寒すぎずの気候で調教日和。特に坂路馬場に関しては、29日に逍遥馬道を歩いてみたが、クッションが適度で、非常に歩きやすい。これが今の時計が出やすい馬場状態の要因だろう。

　逆にCコースはチップを入れ替えたといっても、現状のチップから悪いものを取り除いただけの入れ替え作業なので、根本的にウッドチップが良くなったというわけではない。その影響もあってか、非常に時計を要する馬場状態が続いている。

【坂路/4F51.9秒】
　30日。一番時計は4F50.2秒のマートンパーク(栗東・安田隆行厩舎)とエイシンゴージャス(栗東・大久保龍志厩舎)の2頭。テン1F目を13秒台で飛ばしても、残り3F12秒台を踏み続けることができるのだから、軽くて時計の出やすい馬場状態であることは間違いない。ダノンシャーク(栗東・大久保龍志厩舎)のように、前半をかなり遅くすれば、ラスト1F11.6秒なんて数字も出ており、とにかく時計は出る。

　1日。馬場状態に関しては前日と同じ。それは一番時計のネロ(栗東・森秀行厩舎)が、4F49.6秒だったことからも納得できる。今週末のポートアイランドSに出走予定のダノンメジャー(栗東・橋口弘次郎厩舎)はキタサンウンゲツとの併せ馬を行った。

　追走する形だったが、馬なりで並びかけたと思えば、すぐに前に出て先着。終始馬なりの手応えで、4F51.5秒をマーク。日本ダービー以来の休み明けとなるが、これだけ素軽い動きができれば、十分に動ける態勢が整っていると判断したい。

　先週の馬場差が「-0.4秒」。全体的な時計の出方を見ていると、先週とほとんど変わりないので、今週の馬場差も先週と同じ『-0.4秒』の馬場差で、30日、10月1日とも記録している。

【CW/5F66.5秒】
　前日のトレセンニュースでもお伝えしたエイシンヒカリ(栗東・坂口正則厩舎)などが、6Fで速い時計をマークしているが、それでも80秒は切っていない。とにかく時計を要する馬場であることに変わりはなく、その理由については冒頭でもお伝えした通り。

　そんな中でも動きが目立ったのは、2歳新馬のマカヒキ(栗東・友道康夫厩舎)。同じ新馬を相手に3頭併せの最後方だったが、直線に向いてからの瞬発力は全姉ウリウリを彷彿させるものがあった。6F83.8秒、1F12.0秒は4コーナーで内を回ったことを差し引くと、特筆すべきか微妙な数字ではあるが、時計を要する馬場状態であったことを考慮すれば、やはり評価すべき。デビュー戦まで少し時間があるので、来週以降の動きにも注目したい。

　先週の馬場差が「+0.8秒」。時間帯によっては、先週より時計が出る印象もあったが、30日、1日とトータルすれば、あまり先週と変わりない。よって今週も『+0.8秒』で馬場差を記録している。

【DP/5F64.5秒・D芝/5F63.0秒】
　今週の芝馬場は30日に新馬が足慣らしも込みの追い切りで利用。時計はごく普通で、特に時計を要した印象もない。よって、馬場差は30日、1日とも『±0.0秒』で記録している。

　ポリトラック馬場の追い切り頭数は非常に少ない。30日のラホーヤビーチ(栗東・松永昌博厩舎)はこの馬場での追い切り経験は少ないものの、6F64.6秒、1F11.5秒を馬なりでマークする抜群の動き。時計自体は特に変わった様子もないので、30日、1日とも『-1.0秒』で記録している。

※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。
(取材・写真：井内利彰)