“大トリ”を見事に飾った。クラシック最後の1冠「第76回
菊花賞・GI」(芝3000m)は25日、京都11Rに18頭で争われ、5番人気の
キタサンブラック(栗東・清水久)が直線で内の狭いところから力強く抜け出し、3分3秒9のタイムでGI初制覇。
皐月賞3着、ダービー14着と春の2冠で敗れた悔しさを菊の舞台で晴らした。外から追い込んだ2番人気の
リアルスティールは首差及ばず2着。さらに半馬身差の3着には1番人気の
リアファルが入った。
道中は5番手のインで我慢し、向正面から流れが急激に変わっても手綱は抑えたまま。直線もインにこだわって抜け出し、先頭でゴール板を貫いた。「慌てずに乗ろう、と。距離はどうかなと思っていたけど、信じて乗った」と北村宏は笑顔を見せる。「ゴールしたあと、心臓がメッチャ痛かった」と清水久師は苦笑い。開業7年目、13度目の挑戦でGI初制覇をかなえた。
師の強い信念が、厳しいデータを打ち破った。「覆してやろうと思っていた」。
セントライト記念の勝ち馬は84年
シンボリルドルフ以来、
菊花賞を制していない。また母の
父サクラバクシンオーの血統背景から、長距離も不安視されていた。「自分も外から見ていたら“大丈夫かな?”と思ったでしょう。でも、この馬のことは知り尽くしている。身のこなしとフットワーク。(前走の)2200mに800mをプラスするだけ。距離は持つと思っていた」。ハードな調教でスタミナを強化し、決戦に備えた。
「このあとは
有馬記念(12月27日・中山、芝2500m)か香港か。香港は来年でもいい。中山は合いますから」と
グランプリへの参戦を示唆する。距離の壁は克服した。次は古馬撃破を誓う。
提供:デイリースポーツ