勝負の時を迎えた。準オープンの
オリオンSを3馬身差で完勝、3連勝をオープン入りを決めた
シュヴァルグランがいよいよGIIのステージへ。ハードルは一気に高くなるが、それをクリアできるだけの素質の持ち主だ。
背伸びをせず、地道に力を蓄えたことが今の快進撃へとつながっている。昨春は
京都新聞杯で8着に敗れてダービー参戦の夢が絶たれると、スパッと放牧へ。10月の復帰2戦目で500万下を制した時点では
菊花賞への出走も可能だったが「無理をせず、一歩ずつ進んで行こうと決めました」(友道師)と待ちの姿勢を貫いた。これが正解。異父姉に13、14年の
ヴィクトリアマイルを連覇した
ヴィルシーナを持つ良血馬が完全に本格化した。
毛色から性格まで姉とは違ったタイプに出たが、指揮官は「この血統は頭がいい」という。「普段から無駄なことをしない。ユーイチ(福永)が乗っていた時も“何もすることがない”と言っていたほど。使いつつ体がしっかりしてきたことで高い能力を発揮できるようになった」と、成長ぶりに目を細める。
GIIへの挑戦にも「昇級の壁をひとつずつクリアしてくれた。勢いで何とか突破してくれないかな」と手応えは十分だ。
有馬記念で
ゴールドアクターが勢力図を塗り替えた芝の中長距離路線に、さらなる新風を吹き込む。
提供:デイリースポーツ