「第50回
小倉大賞典・GIII」(芝1800m)は21日、小倉11Rに16頭で争われ、後方のインで脚をためた2番人気の
アルバートドック(栗東・松田博)が、最内を抜け出して1分46秒7のタイムで勝利。5度目の挑戦で待望の重賞制覇を果たした。頭差の2着は大外から脚を伸ばした6番人気
ダコール。さらに半馬身の3着は5番人気の
ネオリアリズムが続いた。
熱い滴がほおを伝う。数々の名馬を送り出してきた松田博師にとって最後の重賞挑戦。その手綱を託された川田は、
アルバートドックを駆って思いの全てを注ぎ込み、内ラチ沿いから真っ先にゴール板を貫いた。
涙のお立ち台だ。こみ上げてくる感謝の印を一度も拭おうとはしなかった。「先生にとって最後の重賞を勝つことができて、本当に良かった。先生の言われていた通り、4コーナーまで内ラチ沿いをピッタリと回って、すごくいい雰囲気で走ってくれました」と相棒の奮闘をたたえる。
松田博師は「うまく乗ってくれました。最後の重賞をいい形で勝つことができて良かった」と穏やかな笑みを浮かべた。
次週は、あと1勝に迫る
JRA通算800勝をかけての戦いとなる。記憶にも記録にも残る名勝負を演じてきた36年間。最後までそのタクトが鈍ることはない。
提供:デイリースポーツ