今週の栗東は6日まで好天に恵まれたが、7日は朝から雨。調教開始時刻にはたっぷりと水分を含む馬場になっていたが、調教中も強い雨が降ったため、時間とともに馬場状態が悪化していった。
気温に関しては、調教開始前はまだまだ寒いが、1時間もすれば上着を脱ぎたくなる暖かさ。7日の雨をきっかけに朝一番でも寒さが和らいでくるのではないだろうか。ちなみに来週からは調教開始が6時となる。
【坂路/4F51.9秒】
6日。一番時計は
アンナペレンナ(栗東・
西園正都厩舎)の4F50.0秒。先週のように、4F49秒台はいなかったものの、相変わらず時計の出やすい馬場状態が継続していると判断してよいだろう。その証拠に3F目に11秒台のラップをマークした頭数が多くなっている。
桜花賞に出走予定の
シンハライト(栗東・石坂正厩舎)や
レッドアヴァンセ(栗東・
音無秀孝厩舎)なども、好時計で躍動した動きを見せていた。また、
オークス(5月22日・東京芝2400m)に向けて、重要な
ステップレースとなりそうな
忘れな草賞に出走予定の
ロッテンマイヤー(栗東・
池添学厩舎)の動きがいい。
3歳未勝利を追走していたので、先着するのは当然として、その手応えが馬なりで、4F時計が自己ベストを更新。しかも、前半が速いラップで時計が速かったわけではなく、ラスト1F12.2秒と終いがしっかりしていた点を評価できる。
クイーンC3着以来の休み明けだが、ここでのパフォーマンス次第では
オークスに駒を進めても面白い存在となりそう。
7日。雨の影響をかなり受けており、時計を要する馬場状態。そのあたりは乗り手の頭にも入っているので、前半を無理せず、後半だけを伸ばすという内容に変更している厩舎も少なくなかった。
先週の馬場差が「-1.1秒」。全体的な時計の出方を見ていると、先週ほどは時計の出やすい馬場という印象がないので、6日に関しては『-0.8秒』で馬場差を記録。7日に関しては雨の影響を受けているので『±0.0秒』で馬場差を記録している。
【CW/5F66.5秒】
6日。前日のトレセンニュースでもお伝えしたように、来週の
皐月賞(4月17日・中山芝2000m)で3強と呼ばれる、
マカヒキ(栗東・
友道康夫厩舎)、
リオンディーズ(栗東・角居勝彦厩舎)、
サトノダイヤモンド(栗東・
池江泰寿厩舎)が追い切られたが、
弥生賞3着の
エアスピネル(栗東・
笹田和秀厩舎)も珍しくCコースで追い切られている。
武豊騎手が騎乗して、
キャノンストームを追走。道中から速いラップを刻みつつ、最後までスピードは衰えない。鞍上がステッキを抜いた時、手綱を動かした時と徐々に加速していく素晴らしい反応。確かに3強は抜けているかも知れないし、
弥生賞での着差は逆転難しいのかも知れないが、それを埋めて逆転しようとする、初めての1週前CW追い切り。やっぱり忘れてはいけない存在だろう。
7日。
京成杯の勝ち馬
プロフェットが
皐月賞に向けた1週前追い切り。
ダノンシャルマンを追走する内容だったが、雨が降っていたこともあり、前半をゆっくり、スピードが上がったのは直線だけといった感じ。そのせいもあってか、追い出されてからの反応が鈍く、前との差は最後まで詰まらない。ゴールを過ぎてからの脚色も平凡で、時計は6F85.3〜5F69.9〜4F55.6〜3F41.6〜1F12.3秒と目立たず、追い切りに関しては他の出走予定馬より地味だったことは間違いない。
先週の馬場差が「-0.6秒」。6日に関しては、時計の出やすい馬場状態であることは間違いなく『-0.9秒』で記録。7日に関しては、冒頭にも記したように雨の影響があるので、馬場差は『-0.5秒』で記録している。
【DP/5F64.5秒・D芝/5F63.0秒】
今週の芝馬場は6日、7日とも追い切りを確認することはできなかった。馬場差に関しては、天候や見た目を考慮して『±0.0秒』で記録している。
ポリトラック馬場の追い切り頭数は、6日が20頭を少し超えるくらい。7日は坂路馬場の状態が悪いということで、こちらの馬場に追い切り変更した馬もいたので、通常の木曜日よりも多め。馬場差は、6日、7日とも『-1.0秒』で記録している。
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。
(取材・写真:井内利彰)