牝馬クラシック第1弾「第76回
桜花賞・GI」(芝1600m)は10日、阪神11Rに18頭で争われ、火花散るゴール前のたたき合いを制して、3番人気の
ジュエラー(栗東・藤岡)が桜の女王に輝いた。勝ちタイムは1分33秒4。2番人気の
シンハライトが鼻差の2着。さらに1馬身3/4差の3着は6番人気の
アットザシーサイドが入り、1番人気の
メジャーエンブレムは伸び切れず4着に敗れた。
言葉にならなかった。検量室前、
M.デムーロは出迎えたスタッフの姿で勝利を知ると、
ジュエラーの背で歓喜の雄たけびを上げた。「負けたと思った」と自ら振り返る約2センチ差の大接戦。最上の結果に笑顔の花が咲いた。
執念が引き寄せた勝利だ。発馬後はパートナーの末脚を信じ、後方2番手で待機。ギリギリまで脚をため、直線半ばで先に抜け出した
シンハライトに馬体を並べると、こん身の右ステッキを振り下ろして懸命に手綱を押した。前走の
チューリップ賞で鼻差敗れた相手に雪辱を果たし、「これまで3回乗って2、2着。一番大事なGIを勝てて良かった」と胸をなで下ろした。
この勝利で、自らが手綱を取った祖
父ネオユニヴァース、父
ヴィクトワールピサとの3世代GI制覇も達成。父に産駒初のGI制覇も届け「みんな僕の家族。とてもうれしい」と喜びを爆発させた。
藤岡師は初勝利となった
高松宮記念(
ビッグアーサー)に続く、GI連勝。「生まれ育ったのが阪神競馬場で勝ちたい思いが大きかった。神様がいて見守ってくれたかな」と涙をこらえるのに精いっぱい。「名牝への道を歩けるようにやっていくつもりです」と、
オークス(5月22日・東京、芝2400m)での2冠奪取へ気を引き締めた。
提供:デイリースポーツ