16日はかなりの雨が降ったものの、17日の調教時間中は小雨。18日は晴れということで、雨が追い切りに与える影響は少ないと思われたが、坂路馬場での追い切りの騎乗者のコメントは「少し重さを感じる」ということだった。そんな影響もあってか、芝やポリトラック馬場での追い切りも多かった。

　気温に関しては、朝一番こそ肌寒いものの、太陽が昇ると半袖でも十分なくらい。かなり代謝のよくなる時期だけに、今の時点で毛艶が冴えない馬はよほど体調面で思わしくないと判断してもよいだろう。

【坂路/4F51.9秒】
　18日。一番時計は4F51.7秒のスズカファイン(栗東・橋田満厩舎)とブライトアイディア(栗東・宮徹厩舎)。前者は地方競馬からの出戻りだが、未勝利時代に同じ数字をマーク。当時からスピードのあるタイプだったのは間違いないが、地力をつけた今は実質、自己ベストを更新したくらいの数字だろう。先週と一番時計を比較しても時計を要していることは間違いないが、全体的な時計の出方も同じ。

　ブライトアイディアは前走1600万下を勝って、今週の平安Sに出走。こちらは勢いがあるというか、併せ馬を追走して先着したくらいなので、見た目の動きも完璧。かなり集中して走ることができており、よほど体調がよいのだろう。初重賞でも自分の競馬ができれば、十分に勝ち負けが期待できる。

　19日。一番時計は4F50.6秒のマテラリードル(栗東・森秀行厩舎)。この日は4F50秒台が3頭もいたので、前日との比較でも時計が出ている。18日は午後からかなり気温が上昇したので、それでウッドチップが乾いたという考え方が妥当だろう。

　この日、安田記念(6月5日・東京芝1600m)の2週前追い切りを行ったフィエロ(栗東・藤原英昭厩舎)。CWを半周した後、単走で追い切られているが、スタートから徐々にラップを速めていく形で、4F53.4〜3F38.8〜2F25.0〜1F12.3秒。最後まで余力十分だった走りを見ると、現時点でも十分に態勢が整っているといった感じ。

　先週の馬場差が「±0・0秒」。18日に関しては全体的な時計の出方を見ると、先週よりも時計を要していることは間違いなく『+0.4秒』で馬場差を記録。19日は文中にも記したように馬場が乾いて通常の時計が出ていると判断して『±0.0秒』で馬場差を記録している。

【CW/5F66.5秒】
　18日。水分を含んでいることは間違いないが、坂路と違って時計は出る馬場状態。オークスに出走予定のアドマイヤリード(栗東・須貝尚介厩舎)は前走の末脚が見どころ十分だったが、その勢いを感じさせるようなハードな追い切り。状態に関しては、文句なしで出走することができそう。

　19日。別ニュースでもお伝えしたリアルスティール(栗東・矢作芳人厩舎)やスマートオーディン(栗東・松田国英厩舎)の動きが目立ったのはもちろんだが、来週のむらさき賞を予定しているサウンドアプローズ(栗東・高橋康之厩舎)の動きも相当。単走だったが、ゆったりとしたフットワークで、時計は6F79.5〜5F65.0〜4F51.4〜3F37.8〜1F12.4秒とかなり速い。

　先週の馬場差が「-0.4秒」。ここ数週は基準時計よりも速い馬場差が続いているが、今週に関しても同様。全体的な時計の出方を見て、18日、19日ともに『-0.8秒』で馬場差を記録している。

【DP/5F64.5秒・D芝/5F63.0秒】
　今週の芝馬場は頭数が少ないながら、追い切りあり。ウォーターラボ(栗東・安田隆行厩舎)の動きなんかを見ていると、芝の状態は悪くなさそう。よって馬場差は『±0.0秒』で記録している。

　ポリトラック馬場は水分を含んだことで、かなり走りやすい状態。いつものごとく、一番時計はドコフクカゼ(栗東・友道康夫厩舎)。今週もスタートから飛ばしても止まらない馬場で、馬場差は18日、19日とも『-1.5秒』で記録している。

※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。

(取材・写真：井内利彰)