「
函館スプリントS・G3」(19日、函館)
待望の重賞初Vへ。
オメガヴェンデッタが函館芝で力強い走りを披露した。デビュー前の2歳馬に胸を貸し、堂々としたフットワークを披露。過去6回の重賞挑戦は厚い壁に跳ね返されたが、重賞3勝の
ビハインドザマスクを母に持つ血統馬。素質開花はこれからだ。米英遠征から帰国する
武豊を背に、G3の壁を突き破る。
1年ぶりに踏みしめる、北海道のターフの感触を一歩一歩確かめながら、15日、
オメガヴェンデッタが函館芝を駆け抜けた。
モンドキャンノ(2歳新馬)を相棒に馬場の外側を力強いフットワークで併入。余力を保ったまま、5F68秒1-37秒9-12秒3を計時した。
安田翔助手は「相手に合わせた調教でしたが、動きは良かった」と思い通りの調整に満足そうな表情を浮かべる。京王杯SC6着後も緩めることなく乗り込みを続けており、今回は状態の維持が目標だったという。「栗東にいた時よりも馬がピリピリしていたので、きょうやったことでガス抜きになれば」と精神面の落ち着きを期待する。
舞台は1年前に準オープンを制して以来の函館6F戦。「当時とは相手が違うが、この馬の経験値も高まっているので。適性的にも悪くないと思っています」と仕上げ人は自信をのぞかせる。オープン昇級後もコンスタントに重賞で上位争いを演じ続けてきた5歳馬に「走るたびに成長が見受けられる。厳しい経験を重ねることで、実戦で良さが出るようになっています」と目を細めた。
「重賞でワンパンチが足りない面がありましたが、(実績のある)洋芝や滞在競馬で、その足りない部分を補えれば」と北の地でのタイトル奪取を描く。鞍上の
武豊とは3戦連続のコンビ。世界を股にかけて活躍する名手を背に、7度目のチャレンジで重賞ウィナーの仲間入りを果たす。
提供:デイリースポーツ