今週の栗東は日照時間が短い。曇っているか、雨が降っているか。ほとんどの時間帯がこのどちらかという梅雨らしい天気になっている。特に21日の夜、22日の夜から23日にかけて、かなりの雨量。23日は調教時間中に豪雨があり、一瞬にして運動場に大きな水たまりができた。
さすがに各馬場とも雨の影響を受けて、時計を要する状態。そのあたりは各項目をご確認いただきたい。気温に関しては、日照時間が短いこともあり、照りつけるような暑さはないものの、雨が降る前の蒸し暑さは少しある。ただ、本来なら夏負けしているような馬がもっといてよいのだが、そのあたりは少なくなっている。
【坂路/4F51.9秒】
22日。一番時計は
オリエンタルローズ(栗東・福島信晴厩舎)の4F50.0秒。もともと時計の出るタイプではあったが、この数字は自己ベスト更新。よって、この馬だけを見ると、走りやすい馬場に思えるが、
ベルカント(栗東・
角田晃一厩舎)が4F50.5秒だったことを思えば、
オリエンタルローズの状態が良いということだろう。
やはり全体的な時計の出方を見ても、4F51秒台の頭数が少ない。ただし、4F50秒台に関してはある程度の頭数がいるので、極端に時計を要する馬場というわけでもなさそう。
来週の
CBC賞(中京芝1200m)の出走を予定している
エイシンブルズアイ(栗東・
野中賢二厩舎)は、開門直後の混雑した時間帯から少し緩和した頃に単走で登坂。時計を要する馬場も全く関係ないといった感じ、軽快なフットワークで4F53.4〜3F38.8〜2F24.8〜1F12.1秒をマーク。
オーシャンSで初重賞制覇となったが、ここで2勝目を狙って、充実の5歳シーズンとしたいところ。
先週の馬場差が「-0.4秒」。雨の量を考えると、馬場差を決めるには非常に難しい状況ではあるが、出た時計を重視して先週より少し時計を要する馬場と判断。22日、23日とも『±0.0秒』で馬場差を記録している。
【CW/5F66.5秒】
22日。朝一番に
ラブリーデイ(栗東・
池江泰寿厩舎)を筆頭とした
宝塚記念出走予定馬の最終追い切りが連発して行われたが、動きと時計を見ていても、先週よりは時計を要する馬場状態という印象。特にラスト1Fの時計が出にくくなっており、1F11秒台は
サトノノブレス(栗東・
池江泰寿厩舎)や
ヤマカツエース(栗東・池添兼雄厩舎)といった
宝塚記念出走予定馬だった。
そんな中で抜群の動きを見せたのが、来週の
ラジオNIKKEI賞(福島芝1800m)の出走を予定している
ナイトオブナイツ(栗東・池添兼雄厩舎)。
ヤマカツボーイとの併せ馬だったが、最後は相手をちぎって大きく先着。6F79.5秒と全体時計が速い上、1F11.8秒の伸び。しかも外を回ってのものだけに、これは大きな価値がある。前走は京都芝1800m外回りなので、直線長いコースでの好走イメージがあるものの、この動きを見れば、小回りコースも全く問題ないだろう。
23日。追い切り頭数が少なかったこともあるが、動きと時計を見ると、前日よりも時計を要している印象。そんな中で素晴らしい動きを見せたのが、来週の2歳新馬でデビュー予定の
ドロウアカード(栗東・
角田晃一厩舎)。
レースでも騎乗予定の
C.ルメール騎手が跨っていたが、併せた相手
マールデルプラタを全く問題にしない動き。時計の6F83.4〜5F68.3〜4F53.4〜3F39.1〜1F12.2秒は新馬として水準以上。というよりも、ラスト1Fを余裕持ってこの時計なら間違いなく勝ち負けレベル。ジョッキーも含めて、人気になることは間違いないだろう。
先週の馬場差が「-0.4秒」。先週より時計を要していることは間違いないが、だからといって、基準時計よりも遅いというわけではない。よって、22日は『-0.2秒』で馬場差を記録。23日に関しては、かなり雨の影響を受けているので『±0.0秒』で馬場差を記録している。
【DP/5F64.5秒・D芝/5F63.0秒】
今週は雨の影響を受けているので、ウッドチップ馬場の追い切りを芝馬場に振り替えているケースが目立つ。ただし、芝馬場もかなりの水分を含んでおり、時計が出るような状態ではない。よって馬場差は22日、23日とも『+1.0秒』で記録している。
ポリトラック馬場は先週と同じく追い切り頭数が少ない。また、速い時計を出している馬もいないので、額面上は少し時計を要しているようにも思える時計の出方だが、そこは追い切られた馬のタイプによるところだろう。馬場差は22日、23日とも『-1.0秒』で記録している。
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。
(取材・写真:井内利彰)