このところ、雨が全く降らない栗東。調教開始前にはウッドチップに水が撒かれているが、そうでもしなければ、乾燥してかなり走りにくい、滑りやすい馬場になってしまうだろう。ちなみにCコースは11日から1週間かけて、ウッドチップの入れ替え工事となる。来週の追い切り時にはチップが入れ替わっているため、時計の出方が変化してくるかも知れない。
気温に関しては、10日の朝も過ごしやすかったが、11日は半袖だと肌寒いくらい。調教時間後半でも汗をかくほどの暑さというわけではないので、そろそろ夏バテも気になる時期だけに、馬にとってはありがたい感じ。
【坂路/4F51.9秒】
10日。一番時計は4F49.4秒の
マテラレックス(栗東・
森秀行厩舎)。4F49.8秒の
エフェクト(栗東・服部利之厩舎)が二番時計なので、この2頭に加えて、4F50秒台が5頭もいた上位を見てしまうと時計が出やすい馬場と判断できる。ただ、4F51秒台の頭数が少ないだけに、馬場差の記録は難しいところ。
キーンランドC(8月28日・札幌芝1200m)に向けて2週前追い切りを行ったのが、昨年の
函館2歳S覇者
ブランボヌール(栗東・
中竹和也厩舎)。重心の低いフットワークで1Fごとにどんどん加速していくと、3F目には11.8秒をマーク。トータルは4F52.2〜3F37.4〜2F24.5〜1F12.7秒と速く、いかにもス
プリンター仕様に調整されているといった感じ。なお、今春に減り続けていた馬体に関しては、回復しているように見える。
11日。4F50.5秒をマークした
メイショウライナー(栗東・
高橋義忠厩舎)が一番時計。これに次いだ
ナムラエルサ(栗東・五十嵐忠男厩舎)は4F50.9秒だが、クラスは3歳未勝利。芝1200mあたりを使うことができれば、あっさりと勝ち上がれるだけのスピード能力はある。
先週の馬場差が「±0.0秒」。4F51秒台が多くないというのは、先週の当ニュースでも記した内容。よって10日、11日とも先週と同じ『±0.0秒』で馬場差を記録している。
【CW/5F66.5秒】
10日。馬場の内目を回れば、速い時計が出やすい馬場という印象。
関屋記念に出走を予定している
マジェスティハーツ(栗東・松永昌博厩舎)はその典型だし、6F80.8〜5F65.9秒をマークした
ウェスタールンド(栗東・
佐々木晶三厩舎)も同様。だからといって、外を回ると時計が遅くなるわけではなく、内を回れば速いということを覚えておいていただきたい。
11日。この日は8月27日の
新潟ジャンプステークス(芝3250m)で戦列に復帰する
アップトゥデイト(栗東・
佐々木晶三厩舎)が2週前追い切り。いつも通り、林満明騎手が騎乗して、障害練習を行った後、向正面2コーナーから入場して、単走追い。そろっとキャンターに移ったので、じわじわとしかスピードは上がらなかったが、5F標識を過ぎたところではスイッチが入ってしまった。
3コーナーから4コーナーにかけてラップが速くなったこともあり、最後の直線は流す感じ。ただ、馬はしっかりと走る気持ちを保っており、オーバーワークにならないように柔軟に対応した追い切りだった。時計は6F81.8〜5F65.5〜4F51.9〜3F39.5〜1F13.4秒と全体的な時計は先週よりも速いので、負荷はきっちりとかけられている。
先週の馬場差は「±0.0秒」。先週は5F65秒台が少なかったのだが、今週は先週と比較すると少し多くなった印象を受ける。とはいっても、先週と比較して時計が出やすくなった要因を特定できるわけでもないので、10日、11日とも先週より気持ち時計が速い馬場で『-0.1秒』の馬場差を記録した。
【DP/5F64.5秒・D芝/5F63.0秒】
今週の芝馬場での追い切りは確認できなかった。よって馬場差は10日、11日とも『±0.0秒』で記録している。
ポリトラック馬場は10日の追い切り頭数が20頭にも満たなかった。先週と同じく、
藤岡健一厩舎の追い切りが目立っていたが、
関屋記念に出走を予定している
リーサルウェポン(栗東・
荒川義之厩舎)はテンから飛ばしていって、最後までスピードを持続する軽快な動き。近走成績を度外視して狙ってみても面白い。よって10日、11日とも『-1.0秒』で馬場差を記録している。
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。
(取材・写真:井内利彰)